セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

肝臓-鏡視下手術 3

タイトル 外P-180:

ナビゲーションサージェリー導入による合理的な鏡視下肝切除を目指して

演者 青木 武士(昭和大・消化器・一般外科)
共同演者 村上 雅彦(昭和大・消化器・一般外科), 藤森 聡(昭和大・消化器・一般外科), 古泉 友丈(昭和大・消化器・一般外科), 山田 宏輔(昭和大・消化器・一般外科), 榎並 延太(昭和大・消化器・一般外科), 小池 礼子(昭和大・消化器・一般外科), 松田 和広(昭和大・消化器・一般外科), 草野 智一(昭和大・消化器・一般外科), 加藤 礼(昭和大・消化器・一般外科), 吉澤 宗大(昭和大・消化器・一般外科), 渡辺 誠(昭和大・消化器・一般外科), 大塚 耕司(昭和大・消化器・一般外科), 加藤 貴史(昭和大・消化器・一般外科)
抄録 【目的】鏡視下肝切除は,低侵襲手術として標準化へ向けて期待が大きい術式である. しかしながら鏡視下手術の場合,術者は無触覚下で限られた視野の画像を見ながら手術を行わなければならず,高度な手術技術が要求される.かかる点において,鏡視下という特殊環境において外科医を支援する新しいナビゲーションサージェリー(NS)を導入することで,手術技能と視覚的支援を効果的にアシストすることができ,手術の確実性と安全性を高めることが可能になると考えられる.【方法】1. 肝上区(S7, 8)に存在する腫瘍に対して術前port tuning (PT), 仮想内視鏡 (VE)を作製することにより胸腔鏡下アプローチ(TA)/経胸腔トロカール補助下腹腔鏡下アプローチ(挟撃アプローチ: PAA)を選択.2. 磁場センサー搭載超音波(VNUS)を使用し,全身麻酔下手術直前肝内ランドマークにtattooing (TT)を施行し,肝離断時のメルクマークとするとともに肝内ランドマークの確認/離断方向の補助を施行.3. 仮想内視鏡を手術モニターと並列表示し,腹腔鏡の視点で腹腔内局所解剖を常に術者に供覧.【成績】1. 肝上区の腫瘍に対し,術前PT, VEにより最適なアプローチ法(TA, PAA)の選択基準となった.2. TTは肝離断時におけるメルクマークとして極めて有用であった (同定率:92%).またVNUSにより適切な肝離断方向をアシストした.3. VEより術者に腹腔内解剖学的位置関係を視覚的に支援することが可能となり,脈管の安全な剥離・切離操作が簡便かつ確実となった.【結論】NSを鏡視下肝切除に導入することで,理論的な裏づけと客観的な判断を持ち込むことになり,鏡視下手術の欠点を補完する合理的な鏡視下肝切除が可能であった.同システムは安全性と確実性が担保された鏡視下肝切除の標準化に向けて必要不可欠なモダリティになり得ることが期待される.
索引用語 ナビゲーションサージェリー, 鏡視下肝切除