共同演者 |
谷合 信彦(日本医大・外科), 中村 慶春(日本医大・外科), 吉岡 正人(日本医大・外科), 松下 晃(日本医大・外科), 水口 義昭(日本医大・外科), 清水 哲也(日本医大・外科), 上田 純志(日本医大・外科), 高田 英志(日本医大・外科), 住吉 宏樹(日本医大・外科), 吉田 寛(日本医大多摩永山病院・外科), 内田 英二(日本医大・外科) |
抄録 |
(緒言)本邦における鏡視下肝切除術(Lap-H)は, 約10年の歴史を持ち,劇的に発展,普及しているが, 更なる発展のためにも,開腹術との利点,欠点の差を総括する時期が来ている. (対象) 2007年1月~2011年12月に当科施行のHCCに対する肝部分/左葉切除63例(Lap-H:24(Lap),開腹:39例(Open)).(結果(Table1)) LapとOpenでは, 腫瘍径,手術時間では差がなかったが,有意にOpenで腫瘍個数が多かった(p = 0.001).出血量,合併症発生率,術後退院日数は,有意にLap群で良好で,生存率には有意差はなかった. 我々のLap-Hの教育では,Hand-assist(肝離断手技の習熟目的)やHybrid(肝周囲剥離手技習熟や適応拡大目的)などを有効に取り入れるStep upによる手技の習熟が重要であった.(結語) Lap-H特有の有利性が存在するため,今後,術式はpureへ,適応も徐々に拡大へ進むと考えられるが, 一般的な情勢を鑑みながら施設ごとの経験を総括することにより,当該施設に合ったLap-Hの手技,適応を構築し,積み重ねていくことが健全な発展につながるものと考える. |