セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

肝臓-鏡視下手術 3

タイトル 外P-182:

肝腫瘍に対する完全腹腔鏡下肝切除術

演者 五十嵐 隆通(群馬大大学院・臓器病態外科学)
共同演者 須納瀬 豊(群馬大大学院・臓器病態外科学), 平井 圭太郎(群馬大大学院・臓器病態外科学), 吉成 大介(群馬大大学院・臓器病態外科学), 小川 博臣(群馬大大学院・臓器病態外科学), 塚越 浩志(群馬大大学院・臓器病態外科学), 高橋 憲史(群馬大大学院・臓器病態外科学), 宮前 洋平(群馬大大学院・臓器病態外科学), 田中 和美(群馬大大学院・臓器病態外科学), 高橋 研吾(群馬大大学院・臓器病態外科学), 竹吉 泉(群馬大大学院・臓器病態外科学)
抄録 <はじめに>2010年より腹腔鏡下肝切除が保険適応となり,徐々に広まりつつある.当科では2010年より腹腔鏡下肝切除を開始し,その後,葉切除や区域・亜区域切除も腹腔鏡下に行うようになったが,現在のところ外側区域切除と部分切除のみが保険適応である.これらの肝切除症例の成績などにつき報告する.<対象と方法>対象はHCC,転移性肝癌,嚢胞腺癌などであった.肝離断には腹腔鏡用のCUSA,EnSealおよびソフト凝固モノポーラー電極を用いた.肝硬変が強い症例については,ラジオ波前凝固を併用した.術式は開始当初は腹腔鏡補助下(LA)で,現在では完全腹腔鏡下(PL)に肝切除を行っている.LAでは原則4ポートとして,正中ないし右肋弓下に7~11cmの小切開をおいた.PLでは原則5ポートとした.<結果>保険適応内の腹腔鏡下肝切除症例は,19例であった.PLが12例,LAが7例であった.LAやPLでは,出血量,手術時間とも,それ以前に行っていた開腹症例と比較し,概ね許容できる成績と考えられた.在院日数も比較的短く良好と思われた.手術成績には一定のlearning curveがあると考えられ,導入後期の症例の方が初期の症例よりも成績が良好であった.手技的には肝背側領域の腫瘍に対しては,体位変換を有効に用いることで,肝切除を遂行することが可能であった.また,頭側領域については展開が難しい場合があり,PLで遂行が難しい場合はLAで行ったが,今後の工夫が必要と思われた.<まとめ>腹腔鏡下肝切除は部分切除や外側区域切除では,手術侵襲が少ないことが期待され,比較的良好な成果が得られることが示唆された.切除する領域によって,難易度に差がみられ,安全な施行のためには工夫が必要と考えられる.
索引用語 腹腔鏡下肝切除術, 完全腹腔鏡下手術