セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)肝臓-鏡視下手術 3 |
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タイトル | 外P-184:発展途上の施設における腹腔鏡下肝切除の現状と課題 |
演者 | 須納瀬 豊(群馬大大学院・臓器病態外科学) |
共同演者 | 平井 圭太郎(群馬大大学院・臓器病態外科学), 吉成 大介(群馬大大学院・臓器病態外科学), 小川 博臣(群馬大大学院・臓器病態外科学), 塚越 浩志(群馬大大学院・臓器病態外科学), 高橋 憲史(群馬大大学院・臓器病態外科学), 宮前 洋平(群馬大大学院・臓器病態外科学), 高橋 研吾(群馬大大学院・臓器病態外科学), 五十嵐 隆通(群馬大大学院・臓器病態外科学), 田中 和美(群馬大大学院・臓器病態外科学), 竹吉 泉(群馬大大学院・臓器病態外科学) |
抄録 | <はじめに>当科では2010年より腹腔鏡下肝切除を開始した.始めは腹腔鏡補助下(LA)に,10例目以降は可能であれば完全腹腔鏡下(PL)に肝切除を行っている.現在まで約60例に腹腔鏡下肝切除を行ったが,最近は7割以上の症例がPLないしLAとなっている.<対象と方法>対象はHCC ,CCC ,転移性肝癌などである.当初は部分切除や核出をPLで,系統的切除をLAで行ったが,現在は系統的肝切除も可能ならPLで行っている.原則的にPringel法を用い,細径の点滴チューブで肝十二指腸間膜をencircleして,臍部のトラカール脇からチューブを体外に導出しPean鉗子で牽引している.肝切離は肝円索にかけたエンドループを,側腹部のトラカール脇から体外に導出牽引しつつ,切離面が適切な位置に向くよう調節している.出血コントロール目的で,肝硬変症例のPL,肝離断面が複雑なLAなどで,ラジオ波前凝固を用いるほか,LAでも手袋法で鏡視下に肝切離し,気腹圧を利用して良好な視野で切離できるようにしている.<結果>現在まで合計61例で,PLでは葉・区域・亜区域切除21例,部分切除10例で,LAでは葉・区域+胆管切除11例,区域・亜区域切除12例,部分切除7例であった.LAでは,手術時間,出血量,術後合併症は,それまでの開腹手術と概ね変わらないが,S7,S8領域を含む切除など術式によっては出血量,手術時間ともに増加する傾向が見られた.在院日数も術式によって差がみられた.PLでは,手術時間は開腹手術より長い傾向にあったが,出血量は少ない傾向で,在院日数も短い傾向にあった.<まとめ>腹腔鏡下肝切除は,概ね許容される結果であった.LAは,腹腔鏡下切除の導入初期には取り入れ易い手技だが,切除領域により難易度や成績に差が出るものと考えられた.PLは,一定の症例を経験後に行い,また症例も限定することにより,出血量や在院日数など,開腹手術より有利となる可能性が示唆された. |
索引用語 | 腹腔鏡下手術, 肝切除 |