セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

肝臓-その他 1

タイトル 外P-189:

非B非C非アルコール性肝細胞癌の肝切除後の長期成績の検討

演者 武石 一樹(広島赤十字・原爆病院・外科)
共同演者 前田 貴司(広島赤十字・原爆病院・外科), 辻田 英司(広島赤十字・原爆病院・外科), 中島 雄一郎(広島赤十字・原爆病院・外科), 郡谷 篤史(広島赤十字・原爆病院・外科), 吉永 敬士(広島赤十字・原爆病院・外科), 松山 歩(広島赤十字・原爆病院・外科), 濱武 基陽(広島赤十字・原爆病院・外科), 筒井 信一(広島赤十字・原爆病院・外科), 松田 裕之(広島赤十字・原爆病院・外科), 石田 照佳(広島赤十字・原爆病院・外科)
抄録 【背景】近年ウイルス性やアルコール性肝炎が原因でない肝細胞癌(HCC)が増加している.しかし,非B非C非アルコール性HCC(NBNCNA-HCC)の肝切除後の長期成績についての報告は少ない.
【目的】NBNCNA-HCCの臨床病理学的特徴,肝切除後の長期成績ついて明らかにする.
【対象・方法】1989年から2013年までの初発HCC根治切除664例をNBNCNA群66例とそれ以外のコントロール群598例の2群に分け比較検討し,NBNCNA-HCCの切除後独立予後因子について検討した.
【結果】(1)臨床病理学的因子:(数値はコントロール群/NBNCNA群) 男女比,年齢,BMI,糖尿病の合併率に有意差を認めなかった.Alb,総ビリルビン,Child分類,PTに有意差を認めなかったが,PLT(103/μl)134/174(p<0.05) ,ICGR15(%)19/15(p<0.05),組織学的肝硬変(%)52/35(p<0.05)とNBNCNA群にて肝機能は良好であった.腫瘍分化度,脈管侵襲の頻度,AFP値に有意差を認めなかったが,腫瘍径(cm)3.1/5.0(p<0.05),肝内転移(%)13/27(p<0.05)とNBNCNA群で腫瘍悪性度が高かった.術中出血量,手術時間,輸血の頻度に有意差を認めなかったが,肝切除量(g)135/275(p<0.05)とNBNCNA群にて切除量が多かった.術後合併症率,術後在院期間に有意差を認めなかった.(2)長期成績: 5:10年生存率(%)66:33/70:47 (p=0.28),5:10年無再発生存率(%)32:15/41:27(p=0.11)と生存率,無再発生存率に有意差を認めなかった.(3)NBNCNA- HCC切除後独立予後因子:全生存の危険因子はAST>50IUであり,再発危険因子はICGR15>15%,腫瘍径>5cm,AST>50IU/L,AFP>1000ng/mlであった.
【まとめ】NBNCNA-HCCは腫瘍悪性度が高かったが,背景肝機能は良好であった.NBNCNA-HCCの切除後の長期成績は肝炎ウイルスやアルコールに起因するHCCと同等であり,切除後の厳重なフォローアップが必要である.
索引用語 HCC, NonBNonC