セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

肝臓-その他 2

タイトル 外P-193:

当院での門脈ガス血症21例の経験

演者 加藤 成(福井県済生会病院・外科)
共同演者 石田 誠(福井県済生会病院・外科), 島田 麻里(福井県済生会病院・外科), 佐野 周生(福井県済生会病院・外科), 斉藤 健一郎(福井県済生会病院・外科), 角谷 慎一(福井県済生会病院・外科), 寺田 卓郎(福井県済生会病院・外科), 天谷 奨(福井県済生会病院・外科), 高嶋 吉浩(福井県済生会病院・外科), 宗本 義則(福井県済生会病院・外科), 藤澤 克憲(福井県済生会病院・外科), 飯田 善郎(福井県済生会病院・外科), 三井 毅(福井県済生会病院・外科)
抄録 門脈ガス血症(PVG)は腸管壊死等の重篤な疾患に伴う比較的稀な病態で予後不良の徴候と考えられてきた.今回,我々は当院で経験したPVG21例について検討し報告する.対象は2003年1月~2013年1月にかけて当院でPVGと診断された21例.平均年齢は77歳(57~97歳)男女比は11:10.原因疾患では腸管血流障害が7例,腸炎が3例,医原性が3例,その他が4例,原因不明が4例であった.7例は診断時に全身状態不良にて手術適応外でありその後に原病死した.5例に対し手術施行し3例が救命された.残りの9例はいずれも保存的加療で軽快した.全症例の致死率は42.9%であった.腸管血流障害を認めた症例の致死率は57.1%と高率であった一方で,医原性の3例を含め,腸管血流障害以外の原因でPVGを生じた症例では致死率は低かった(10%).腸管血流障害が予後不良の因子と考えられたが,手術により救命できる可能性があるためPVGを認めた場合には腸管壊死の有無の診断が重要であり,かつ,腸管壊死の可能性が否定できない症例では積極的な治療が必要と考えられた.
索引用語 門脈ガス, 治療