セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)肝臓-症例 1 |
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タイトル | 外P-196:外傷性肝内胆管狭窄の1例 |
演者 | 中山 裕子(山梨県立中央病院・外科) |
共同演者 | 長堀 薫(山梨県立中央病院・外科), 鷹野 敦史(山梨県立中央病院・外科), 高橋 和徳(山梨県立中央病院・外科), 中田 祐紀(山梨県立中央病院・外科), 古屋 一茂(山梨県立中央病院・外科), 須貝 英光(山梨県立中央病院・外科), 羽田 真朗(山梨県立中央病院・外科), 宮坂 芳明(山梨県立中央病院・外科), 中込 博(山梨県立中央病院・外科) |
抄録 | 【はじめに】腹部の鈍的外傷が原因で,頻度は少ないものの胆管狭窄が生じる場合があり,特に肝内胆管領域に狭窄をきたした報告例は稀である.今回,肝損傷後に左肝内胆管の狭窄をきたし,外科的切除で治療した1例を経験したので報告する.【症例】29歳女性.交通外傷で受傷し当院救急医療センターに搬送となった.CTにて肝S8の損傷(3b型)と右腎損傷(2型)を認めたため,緊急開腹術と動脈塞栓術を施行された.1年後の2012年6月,発熱・黄疸を認め前医受診,精査目的に施行したCTで左肝内胆管の拡張を認めた.急性胆管炎,閉塞性黄疸の診断で経皮経肝胆管ドレナージ(以下,PTCD)を施行し症状軽快した.だが,PTCDチューブからの造影で右肝内胆管および総胆管とほぼ交通していないことが判明,MRCPにてB2,B3,B4の合流部に1cmほどの狭窄を認めた.狭窄部のバルーン拡張術を試みるもガイドワイヤーが通過しなかったことから,外科的治療目的に当科外来紹介初診,7月に肝左葉切除術を施行した.術中所見から1年前の肝損傷時,S8に生じた裂創がUmbilical portionまで達し,その創傷の治癒過程で,Umbilical portionの頭側を走行する左肝管のB2,B3,B4の合流部が線維化のために狭窄したものと考えられた.術後は経過良好で,11日目に退院となった.術後6カ月現在,特記所見なく当科外来通院中である.【考察】外傷性胆管狭窄はその多くが腹部の鈍的外傷によってもたらされるが,腹部外傷全体の2%程度とされ,その発症時期も症例によって多岐にわたる.特に自験例のような肝内胆管の狭窄をきたした報告例は非常に稀であり,貴重な症例を経験したため,若干の文献的考察を含め報告する. |
索引用語 | 外傷, 胆管狭窄 |