セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
肝臓-症例 1
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タイトル |
外P-197:著明な血栓形成を伴った肝外門脈瘤の1例
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演者 |
渡邉 照彦(鹿児島市医師会病院・外科) |
共同演者 |
前田 光喜(今給黎総合病院), 花園 幸一(今給黎総合病院), 濱之上 雅博(今給黎総合病院), 牟禮 洋(今給黎総合病院) |
抄録 |
症例は22歳の女性.既往歴に特記すべきことは無い.平成24年7月中旬より間欠的な下腹部痛が出現.翌日に腹痛が増強し,嘔吐も出現し救急搬送された.腹部US,CTで長軸方向に約10cmの長さの著明な肝外門脈の血栓を認めた.門脈径は5cmを超え肝外門脈瘤も認めた.小腸は中等度の浮腫が認められた.デファンスは無かった.バイタルは比較的落ち着いていた.採血にてHb 10.5で凝固系に異常は無かった.緊急手術は行わず経過観察の方針とし入院の上,集中治療を開始した.数日前に子供から腹部を蹴られたエピソードあり,外傷に起因した血栓形成の可能性も考えて,当初は抗凝固剤を使用せずメシル酸ガベキサートを開始した.3病日目よりヘパリンを,7病日目よりウロキナーゼを開始.腹痛は8月初旬まで続いたがその後徐々に改善した.入院中の経時的な画像診断では血栓は若干縮小傾向を示していた.脾腫は入院時より見られ次第に大きくなっており,門脈圧は亢進していると判断した. 8月下旬に退院となり外来で経過観察である.抗凝固療法としてワーファリンを継続中.10月中旬のMRIでは血栓は著明に縮小し,脾腫も改善していた.門脈径も小さくなっていた.肝外門脈瘤は稀な疾患であり若干の文献的考察を加え発表する. |
索引用語 |
肝外門脈瘤, 急性腹症 |