セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)肝臓-症例 1 |
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タイトル | 外P-200:成人発症の肝未分化肉腫の1例 |
演者 | 北村 祥貴(石川県立中央病院・消化器外科) |
共同演者 | 黒川 勝(石川県立中央病院・消化器外科), 丹羽 秀樹(石川県立中央病院・病理診断科), 安部 孝俊(石川県立中央病院・消化器外科), 佐藤 礼子(石川県立中央病院・消化器外科), 奥出 輝夫(石川県立中央病院・消化器外科), 森山 秀樹(石川県立中央病院・消化器外科), 小竹 優範(石川県立中央病院・消化器外科), 稲木 紀幸(石川県立中央病院・消化器外科), 伴登 宏行(石川県立中央病院・消化器外科), 山田 哲司(石川県立中央病院・消化器外科) |
抄録 | 肝未分化肉腫(Undifferentiated embryonal sarcoma of the liver)は1978年にStockerらが肝悪性間葉系腫瘍のうち未分化で分類不能なものとして提唱したのが始まりである.主に小児に発生する悪性間葉系腫瘍であり,成人の肝臓に発症することは極めてまれである.今回,我々は成人に発症した肝未分化肉腫の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.患者は60歳の女性で,右季肋部痛と発熱を主訴に受診した.CTで肝右葉後区域を首座とする最大径16.6cmの充実性腫瘍を認めた.内部は多結節癒合状で一部出血壊死を伴っており,結節の辺縁部は後期相で濃染した.MRIではT2強調像で不均一な高信号,T1強調像で低信号を呈した.肝肉腫もしくは肉腫様変性をきたした肝細胞癌と診断し,肝右葉切除術を施行した.病理組織学的検査所見では,紡錘形細胞が増殖しており,核異型が強く,細胞質内にPAS陽性顆粒状胞体を有する細胞を認めた.免疫組織学的にαSMAとdesminのみ一部の細胞で陽性であり,肝未分化肉腫と診断した.術後,下大静脈狭窄による下腿浮腫を認めたが利尿剤で改善し,現在外来で経過観察中である.本症は外科的切除が第一選択であり確立した化学療法はないが集学的治療での長期生存例もあり,症例の集積と検討が必要である. |
索引用語 | 肝未分化肉腫, 成人 |