セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)肝臓-症例 2 |
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タイトル | 外P-201:肝原発平滑筋肉腫の1例 |
演者 | 伊藤 達雄(島根県立中央病院・外科) |
共同演者 | 信藤 由成(島根県立中央病院・外科), 豊田 英治(島根県立中央病院・外科), 播摩 裕(島根県立中央病院・外科), 宮本 匠(島根県立中央病院・外科), 福垣 篤(島根県立中央病院・外科), 森野 甲子郎(島根県立中央病院・外科), 杉本 真一(島根県立中央病院・外科), 高村 通生(島根県立中央病院・外科), 武田 啓志(島根県立中央病院・外科), 橋本 幸直(島根県立中央病院・外科), 徳家 敦夫(島根県立中央病院・外科) |
抄録 | 肉腫は肝原発腫瘍のうち0.04%を占めるまれな疾患とされている.その中でも平滑筋肉腫は非常にまれであり,通常は転移性病変であると考えられている.肝原発の平滑筋肉腫の一例を経験したので報告する.【症例】68歳女性.食思不振を主訴に近医を受診し,精査のため当院紹介となった.腹部超音波検査を行ったところ肝S4に低エコーで境界明瞭な67×30mm大の腫瘍を指摘された. CTでも境界明瞭で遷延性濃染をうける低吸収腫瘤として描出された.肝生検を行ったところ,核濃染性で多形性に富む紡錐形異型細胞の増生を認めた.Desmin, αSMAが強陽性,KIT, S-100は陰性で平滑筋肉腫と診断した.Ki-67 proliferative indexは20%であった.転移性病変であることの除外のためFDG-PETを行ったが,肝の病変にのみ集積を認め,SUVは9.2であった.肝原発の平滑筋肉腫と診断し,肝左葉切除術を行った.切除標本での病理診断も生検と同様であった.切除断端と腫瘍の距離は保たれていた.術後は順調に経過した.【考察】肝原発の肉腫のうち,平滑筋肉腫が占める割合は約12%と報告されており,頻度の低い肝腫瘍である.肝平滑筋肉腫を認めた場合は転移性病変の可能性を考える必要がある.本例では内視鏡,CTで他に原発巣がないことを確認するとともに,FDG-PETで全身検索を行った.FDG-PETが平滑筋肉腫の診断に有用であったとの報告があり,本例でも肝腫瘍のみに集積を認め,肝原発の腫瘍であることの診断に有用であった.高異型度の症例では予後が不良との報告もあり,marginをとって腫瘍を完全に切除し得てはいるが,病理診断で低異型度から高異型度までの病変が混在している像が認められており今後は注意深い経過観察が必要であると考える. |
索引用語 | 肝腫瘍, 平滑筋肉腫 |