セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

肝臓-症例 3

タイトル 外P-208:

GIST肝転移に対する切除症例の検討

演者 石井 正嗣(大阪医大・一般・消化器外科)
共同演者 井上 喜博(大阪医大・一般・消化器外科), 米田 浩二(大阪医大・一般・消化器外科), 朝隈 光弘(大阪医大・一般・消化器外科), 廣川 文鋭(大阪医大・一般・消化器外科), 宮本 好晴(大阪医大・一般・消化器外科), 林 道廣(大阪医大・一般・消化器外科), 内山 和久(大阪医大・一般・消化器外科)
抄録 【諸言】GISTの再発形式は肝転移が約60%と最も多く,その治療方針が予後を左右する.イマチニブが登場しGIST再発・転移に対する治療成績は向上したが,GIST肝転移に対する治療は肉眼的断端陰性を伴う根治切除が基本とされている.今回当科におけるGIST肝転移に対する治療経験を報告し,外科的切除および術後補助療法の意義を検討した.【対象と方法】1999年から2012年まで当科で肝切除を施行したGIST肝転移症例5例を対象とし,治療成績,予後について検討した.【結果】平均年齢は64歳.性別は男性4例,女性1例.原発部位は胃2例,小腸3例.術式は肝右葉切除術1例,肝拡大右葉切除術1例,肝部分切除術3例.初回肝切除後のMSTは31ヶ月で肝転移切除後再発は3例に認めた.1例は多発肝転移切除後に,術前からのイマチニブを継続投与するも43ヶ月後に卵巣再発し卵巣切除.術後73ヶ月無再発生存中.1例は異時性肝転移切除後イマチニブ継続投与.40ヶ月後に肝再々発を認め,肝部分切除術を施行.術後13か月無再発生存中.1例は異時性肝転移切除後イマチニブを投与するも14ケ月後に腹膜播種,骨転移のため死亡した.肝転移術後無再発症例は2例で,原発巣切除後16年後に単発肝転移を来した症例はイマチニブを投与せず肝部分切除術のみを施行.術後3ヶ月無再発生存中.もう1例は異時性肝転移に対し肝部分切除術を施行.イマチニブは使用せず術後48か月無再発生存中である.【考察】当科ではGIST肝転移再発には可能な限り根治切除を行い,症例に応じてのみ術後補助化学療法としてイマチニブ投与を行っている.しかし肝転移再発術後の再々発率が80-90%とされることを考えると,経過次第でイマチニブ投与が考慮される.さらに再発までの期間は2年以内が大半であるが,原発巣切除後10年経過以降での転移再発の報告例を認めるため,長期間の経過観察が必要と考えられた.
索引用語 GIST, 肝転移