セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
肝臓-基礎研究 2
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タイトル |
外P-222:肝内胆管癌における癌幹細胞マーカーCD44,glioma associated oncogene homolog 1 (GLI1)の発現と臨床的意義
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演者 |
荒井 淳一(長崎大大学院・腫瘍外科学) |
共同演者 |
七島 篤志(長崎大大学院・腫瘍外科学), 畑地 豪(長崎大大学院・腫瘍外科学), 阿保 貴章(長崎大大学院・腫瘍外科学), 村上 豪志(長崎大大学院・腫瘍外科学), 富永 哲郎(長崎大大学院・腫瘍外科学), 高木 克典(長崎大大学院・腫瘍外科学), 永安 武(長崎大大学院・腫瘍外科学) |
抄録 |
【目的】近年の研究において癌幹細胞(CSCs)は消化器癌の発生や治療抵抗性,患者予後に大きく影響している.胆管細胞癌(肝内胆管癌ICC)においてもCSCsの役割が注目されているが,いまだ不明な点も多く,どのCSCsのマーカーがICCの悪性度に関与しているかは明らかでない.そこで我々はCSCsマーカーとしてCD44とGliomaのみならず各種消化器癌のCSCsのマーカーとして報告されつつあるglioma associated oncogene homolog 1 (GLI1)発現について免疫染色法で解析し,ICC肝切除症例における臨床病理像や予後への関与について検討した.【方法】対象は1997年から2011年までの当科で手術を行った38症例.最低follow期間は12か月.染色結果は,陰性,弱陽性(10-50%発現),強陽性(>50%発現)と評価した.【結果】陽性率は,CD44が18%,GLI1は39%であったが,その発現に関連は認めなかった(p=0.76).臨床病理学的因子との検討では,CD44は胆管浸潤型に発現が高く(p=0.0021),GLI1は高齢者に発現が高かった(p=0.0004).その他の因子とは関連を認めなかった.予後との検討では,3-year DFS,5-year OSは,CD44,GLI1各々の発現とは関連を認めなかった(DFS;P=0.63,0.59,OS;0.335,0.767)が,ともに陽性の2症例は,DFS不良であった.予後と臨床病理学的因子との解析では,肝内転移,胆管浸潤型,がDFS不良因子(p=0.003,0.03)であり,高CEA,リンパ節転移,CD34低発現が,有意ではないもののDFS不良な傾向を認めた.また,OSに関しては,CEA高値,胆管浸潤型,腫瘍径,肝内転移が有意なOS不良因子(p=0.006,0.03,0.03,0.04)でり,CD34低発現が有意ではないもののOS不良な傾向を認めた.【結果】CSCsマーカーは未だ不明な点が多いが,CD44は予後不良な組織型で高発現しており,胆管細胞癌(肝内胆管癌ICC)において予後不良因子の可能性がある.更なる症例の蓄積と解析が必要と考える. |
索引用語 |
肝内胆管癌, 癌幹細胞 |