セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)肝臓-診断 |
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タイトル | 外P-224:術前診断に難渋した肝硬化性血管腫の一例 |
演者 | 大下 彰彦(廣島総合病院・外科) |
共同演者 | 佐々木 秀(廣島総合病院・外科), 台丸 裕(廣島総合病院・病理研究検査科), 熊田 高志(廣島総合病院・外科), 山口 拓朗(廣島総合病院・外科), 垰越 宏幸(廣島総合病院・外科), 中村 浩之(廣島総合病院・外科), 加藤 楽(廣島総合病院・外科), 加納 幹浩(廣島総合病院・外科), 香山 茂平(廣島総合病院・外科), 今村 祐司(廣島総合病院・外科), 中光 篤志(廣島総合病院・外科) |
抄録 | 肝硬化性血管腫は比較的稀な疾患であり,画像所見が非典型的なものも多く術前診断は困難である.今回われわれは,術前診断に難渋した肝硬化性血管腫の一症例を経験したので報告する.症例は70歳代,男性.2012年7月より右季肋部痛を自覚.同年10月の腹部超音波検査にて肝S7に59×45mm大の周囲に低エコー域を伴う,境界明瞭,辺縁不整,内部不均一なhigh echoic SOLを認めた.Dynamic CTでは,同部位に早期相で淡いring enhancementを伴い,緩徐に造影される60mm大の辺縁不整なlow density SOLを認めた.EOB-MRIではT1強調像にて境界明瞭,辺縁不整なring enhancementを伴う腫瘤,T2強調像では腫瘍内部に1cm前後の高信号腫瘤を複数個認めた.造影MRIでは緩徐に造影され,肝細胞相ではEOBプリモビストの取り込み不良を認めた.以上の術前画像診断より肝内胆管癌を疑い,腹腔鏡補助下肝拡大後区域切除術+胆嚢摘出術を施行した.摘出標本の肉眼的所見では径63mm大,境界明瞭な一部スポンジ様の成分を含む灰白色充実性腫瘤を認めた.病理組織学的所見では,腫瘍は線維性の結合組織および様々な大きさの海綿状血管腫から構成されており,その血管腫の内部は血栓を含み,壊死・瘢痕形成も顕著で硝子化していた.以上の所見より肝硬化性血管腫と診断された.肝硬化性血管腫は医中誌で検索した限り22例と報告が少なく,画像診断を中心に文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 | 硬化性, 血管腫 |