セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)肝臓-診断 |
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タイトル | 外P-225:同時性肝転移との鑑別が困難であった多発性肝結核合併大腸癌の一例 |
演者 | 福島 大造(岩手県立磐井病院・外科) |
共同演者 | 武藤 亮(岩手県立磐井病院・外科), 阿部 隆之(岩手県立磐井病院・外科), 伊藤 靖(岩手県立磐井病院・外科), 赤田 徹弥(岩手県立磐井病院・外科), 中村 崇宣(岩手県立磐井病院・外科), 佐藤 耕一郎(岩手県立磐井病院・外科), 飯田 雅史(岩手県立磐井病院・外科), 藍澤 一穂(岩手県立磐井病院・外科) |
抄録 | 症例:72歳 男性 既往歴:糖尿病 前立腺肥大.50歳 難治性肺炎.現病歴:便潜血陽性にて近医より当院紹介.大腸内視鏡検査上,上行結腸に隆起性病変認め,生検上group4であったが,肝にも所見認めたため進行癌が強く疑われ当院紹介.入院時検査所見: WBC 7620/ul Hb14.7g/dL Plt 22.9万/ul T-Bil 0.63 mg/dL AST/ALT 22/21 IU/l LDH 205 IU/l ALP 253 IU/l GGTP 43 IU/l Hba1c JDS/NGSP 8.4/8.8 (%) ICG R15 14.5 % CEA 1.4 ng/ml CA19-9 2.0 U/ml未満 CRP 0.1mg/dL 入院時画像所見:CT: 単純CTにて肝内に淡い石灰化伴う占拠性病変を4か所 (S2/4,S8,S6,S7) 認めた.原発巣近傍,及び2群リンパ節の腫脹,その他5mm程度の腋か及び鼠径リンパ節腫脹を認めた.両肺には所見認めず.MRI:CTで指摘された肝病巣は肝細胞相で最大径7mmのdefectとして描出され,肝転移の診断.大腸癌同時性肝転移stage4(N2H1gradeB)の術前診断で右半結腸切除D3+胆摘+肝転移巣ラジオ波焼却+術後化学療法のための中心静脈ポート留置の方針となった.手術所見:術中エコー上肝病巣を低エコー腫瘤として確認でき,ソナゾイドを用いてもKuppfer相でdefectとして描出.右半結腸切除行い,迅速診断に原発巣を提出したがcarcinoma in adenomaのみ.腫大したNo.202リンパ節も提出したが乾酪壊死を伴っており,陳旧性結核疑い.肝病巣は試験切除の方針とし,S8部分切除をおこなったが,陳旧性肝結核の診断.術後経過良好.永久病理所見上原発巣adenocarcinoma in adenoma tub1 pM ly0 vo n0 stage1.リンパ節,肝病巣は乾酪様壊死と周囲硝子化線維組織.陳旧性肝結核は近年の画像モダリティーを駆使しても微小な腺癌の肝転移巣との鑑別が困難であり,適切な治療をおこなうには生検あるいは試験切除が必要である.肺炎の既往歴と治療前単純CTにての不自然な肝病巣の淡い石灰化,全身リンパ節の腫脹が診断に役立つ可能性はある.文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 | 肝結核, 肝転移 |