セッション情報 ワークショップ10(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)

患者にやさしい大腸内視鏡検査の工夫

タイトル 内W10-9:

クエン酸モサプリド併用による腸管洗浄液(PEG)減量の試み

演者 田近 正洋(愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部)
共同演者 近藤 真也(愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部), 丹羽 康正(愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部)
抄録 【目的】大腸内視鏡検査の前処置は、現在ポリエチレングリコール含有電解質溶液(以下PEG) 2Lを用いた腸管洗浄法が標準であるが、2Lの容量は患者にとって大変苦痛である。我々はPEGに消化管運動促進薬(クエン酸モサプリド;以下モサプリド)を併用することで腸管の洗浄効果が改善することを報告した(World J Gastroenterol; in press)。今回、モサプリド併用PEG 2Lを1.5Lに減量することによる両群間での非劣勢試験を行なった。【方法】当施設にて大腸内視鏡検査を行った外来患者を対象に無作為化単盲検試験を行なった。既報よりモサプリド併用による有効率を77.5%と設定、今回、両群ともに同じ有効率を持つものと仮定し、非劣勢の許容限界をΔ=15%、有意水準を片側0.025、検出力を80%とし、症例数を1群125例、計250例とした。主エンドポイントは内視鏡観察による右側・左側大腸の洗浄効果(優・良・可・不可・要追加処置の5段階評価で可以上の割合)、副エンドポイントはアンケート調査による認容性とした。モサプリド15mgはPEG飲用30分前に内服した。【成績】同意を得た252例が各群126例に割付けられた。進行癌にて深部大腸に挿入できなかった8例をのぞいた244例、2L群122例(平均年齢65.6歳;男性/女性=75/47)、1.5L群122例(66.3歳;67/55)を解析した。洗浄効果は右側大腸で2L群88.5%、1.5L群82.8%、左側大腸は2L群89.3%、1.5L群81.1%と両群間で差を認めなかった。認容性に関しては、指定された量を全量飲用できた割合は2L群85.2%に対し、1.5L群96.7%と1.5L群で有意に高く(P<0.01)、また、前回2L単独法を経験したことのある患者に対し、今回のモサプリド併用法が楽であったと回答した割合は2L群28.3%に対し、1.5L群53.0%と1.5L群が有意に高かった(P<0.01)。【結論】PEGにモサプリドを併用することでPEGを1.5Lに減量しても洗浄効果は維持でき、患者の認容性は改善することが示された。
索引用語 クエン酸モサプリド, PEG