セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胆道-診断

タイトル 外P-230:

MDCTを用いた膵・胆管狭窄性病変の検出と画像再構成について

演者 出石 邦彦(KKR高松病院・外科)
共同演者 上村 淳(KKR高松病院・外科), 佐野 貴範(KKR高松病院・外科), 江原 和男(KKR高松病院・外科)
抄録 【目的】MDCTの画像再構成の処理速度・空間分解能は飛躍的に向上され,様々な角度からの再構成が瞬時に可能になった.我々は再構成画像により明瞭な診断が可能になった胆膵管の狭窄性病変の4例を呈示する.【症例】症例1:53歳男性.腹部CTのAxial像で偶然,中下部胆管端にわずかな壁肥厚を認めた.精査のための再構成しCoronal像で検討したところ,より明瞭に壁肥厚が診断され,経口胆道鏡を行い隆起性病変を確認し生検で胆管癌と診断,膵頭十二指腸切除術を行った.病理では早期胆管癌であった.症例2:81歳女性.心窩部痛で来院し,腹部CTのAxial像で膵尾側の膵管拡張を認めた.精査のためCPR(Curved-planar reconstruction)像で再構成したところ,膵管拡張部手前にわずかな隆起病変を認めた.ERPで主膵管の高度狭窄を認め,膵癌と診断し膵体尾部切除を施行した.病理では直径2mmの早期膵癌であった.症例3:69歳,女性.右季肋部痛を主訴に来院した.腹部CTで胆嚢壁の浮腫性肥厚と胆石を認め胆嚢炎と診断したが,その後の腹痛憎悪のためCPR像で再構成したところ,捻転し狭小化した胆嚢管を認め胆嚢捻転と診断し,緊急手術を施行した.症例4:26歳男性.近医で頻回な慢性膵炎の腹痛発作のため入退院を繰り返していた.当院にも腹痛発作のため来院し,腹部CTでこれまで他院で指摘されていた膵内の多数の石灰化像と膵管拡張を認めた.CPR像で再構成を行ったところ,膵管に陥頓した膵石が明瞭に描出され,膵管チューブを挿入後,体外衝撃波結石破砕術を行い退院となった.【結論】MDCTの処理速度の向上によりCoronal 像・CPR像の再構成が瞬時(10分以内)に可能になった.MRIや直接造影も大切ではあるが.今ある画像を大切にする意味においては,Axial 像だけでなく,Coronal・CPR像についても,自ら再構成し確認することが大切である.
索引用語 MDCT, 狭窄