セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胆道-診断

タイトル 外P-231:

肝門部胆管癌における胆管切離線決定のための術前画像診断法の比較

演者 味木 徹夫(神戸大・肝胆膵外科)
共同演者 岡崎 太郎(神戸大・肝胆膵外科), 大坪 出(神戸大・肝胆膵外科), 吉田 優子(神戸大・肝胆膵外科), 村上 冴(神戸大・肝胆膵外科), 篠崎 健太(神戸大・肝胆膵外科), 新関 亮(神戸大・肝胆膵外科), 松本 逸平(神戸大・肝胆膵外科), 木戸 正浩(神戸大・肝胆膵外科), 福本 巧(神戸大・肝胆膵外科), 具 英成(神戸大・肝胆膵外科)
抄録 【目的】肝門部胆管癌は積極的な外科切除により長期予後が期待できる疾患で,手術の可否や術式決定には肝側胆管の切離線を評価決定することが極めて重要である.このための術前画像として,ERC,MRCPが従来施行されてきたが,教室ではさらに造影下3D-CT胆管像構築を行いその有用性を報告してきた.今回,肝門部胆管癌におけるこれら3種のmodalityの術前画像としての有用性を再評価し,報告する.【方法】2007-2012年に切除した肝門部胆管癌18例(M/F=10/8,平均年齢64.9歳)を対象とし,術前画像として施行したERC,MRCP,3D-CT構築胆管像を,胆管描出能と癌進展範囲診断の可否から3段階(A-C)に評価した.3D-CT胆管像は,ENBDまたはPTBDチューブから造影を行い,直後にCTを撮像,ワークステーションで3D構築した.さらに,3D-CT胆管像で設定した胆管切離ラインでの組織学的癌進展を解析し,画像診断との相違を検討した.【成績】18例の切除術式は肝切除16例(左葉側切除10例,右葉側切除6例),肝門部胆管切除2例であった.評価A/B/Cの例数は,ERCが3/10/4,MRCPが6/9/3,3D-CT胆管像が11/4/3で,3D-CT胆管像が術前検査として最も優れていた.ERCまたはMRCPで得られた胆管像でAと評価したものは6例(33%)で,残りの12例中7例が術式決定のために3D-CT胆管像の追加検査が有効であった.18例の手術時胆管吻合口は1穴/2穴/3穴/4穴=5/9/3/1例で,3D-CT胆管像での予定吻合口より多穴になったのは3例であった.術前3D-CT胆管像での胆管切離予定部位で組織学的に癌陽性になったのは10穴で,減量切除の2例3穴を除き,7穴は画像上癌陰性と判断していた.3D-CT胆管像での予定胆管切離ラインでの癌陰性率は29穴/36穴(81%)であった.【結論】肝門部胆管癌の術前診断としてERC,MRCPに加えた3D-CT胆管構築像は胆管切離線決定に極めて有用であり,その正診率は約8割であった.
索引用語 肝門部胆管癌, 3D-CT