セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)胆道-診断 |
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タイトル | 外P-232:胆膵領域での3D手術シミュレーションの有用性についての検討 |
演者 | 宮本 良一(筑波大・消化器外科) |
共同演者 | 大城 幸雄(筑波大・消化器外科), 田野井 智倫(筑波大・消化器外科), 高野 恵輔(筑波大・消化器外科), 橋本 真治(筑波大・消化器外科), 福永 潔(筑波大・消化器外科), 小田 竜也(筑波大・消化器外科), 大河内 信弘(筑波大・消化器外科) |
抄録 | 【背景】解剖学的変異の多い肝胆膵手術では,病変と周囲臓器,脈管との位置関係を正確に把握する事は安全な手術を行う上で必要不可欠である.我々は情報共有が可能な3D手術シミュレーションを肝臓手術より運用を開始し胆膵領域の手術にも適応を広げてきた.【目的】3D手術シミュレーションが胆膵領域手術に有用であるかを検討した.【方法】1) MRCP 3D fusion法:胆道疾患12例を対象としCTとMRCPのデータをSYNAPSE VINCENTでfusionした3D画像を構築した.2) アンケート調査:PD6症例に対して3D画像を構築した.回答者は医学生,卒後7年目迄の若手外科医で,評価項目は回答者の術前スケッチと3D画像との相違を表した自己評価スコア(10点満点が100%合致)とした.3) 解剖学的整合性:実際の手術と3D画像を比較した.評価項目は,i) 肝動脈の走行位置,ii) 想定した膵切離面での膵管位置(膵断面を9分割)とした.【結果】1) 肝門部胆管癌で術前に胆管切離限界点を確認,共有できた.乳頭癌で尾状葉枝の分岐の変異を3次元的に共有可能だった.2) アンケート総数(6件)の平均点は7.75点で,医学生群(3件)7.33点,若手外科医群(3件)8.11点で,両群に有意差は認めなかった(P=0.97).3) i) 6例全てで脈管の相対的位置関係は3D画像と合致し2例に肝動脈の変異を認めた.ii) 膵管位置は全例3D画像と合致し膵管位置は中央-中央4例,頭側-中央1例,中央-背側1例であった.【考察】MRCP 3D fusion法は無侵襲でありCTで胆管同定が困難な例で有用なmodalityであると考えられた.アンケート調査で医学生,若手外科医は術前3D画像と自己作成スケッチとで2~3割の乖離を感じている事が明らかとなり,3D画像によって解剖をより正しく認識できたと考えられた.胆膵領域の3D画像は肝動脈の分岐様式や変異,膵切離面での膵管位置の同定に有用であった.【結論】胆膵領域の3D手術シミュレーションは安全な手術の施行に有用である.今後更に症例を蓄積し評価を進める予定である. |
索引用語 | 3D手術シミュレーション, 肝胆膵手術 |