セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胆道-診断

タイトル 外P-233:

胆管原発の腺扁平上皮癌の臨床病理学的検討

演者 大島 隆一(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科)
共同演者 小林 慎二郎(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 夕部 由規謙(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 野田 顕義(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 片山 真史(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 佐治 攻(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 岸 真也(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 小泉 哲(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 中野 浩(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 有泉 泰(聖マリアンナ医大病院・病院病理部), 藤野 節(聖マリアンナ医大病院・病院病理部), 大坪 毅人(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科)
抄録 【はじめに】胆管原発の腺扁平上皮癌は稀であり,症例の蓄積による病態の解析が必要である.当院で経験した腺扁平上皮癌3例の臨床病理学的検討を行った.【対象と方法】2005年1月から2013年3月までに当院で手術を施行した胆管腺扁平上皮癌3例について,臨床像,画像診断,病理所見,および予後について検討した.【結果】平均年齢は72.7歳.病変部位は肝門部胆管,中部胆管,下部胆管がそれぞれ1例ずつ,術式は2例で幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(以下PpPD)が,1例で肝左葉切除合併のPpPDが施行されていた.主訴は食欲不振が2例,赤褐色尿,皮膚黄染が1例であった.採血上2例に黄疸を認め減黄を要した.CT所見では,2例で胆管の限局性の造影効果を伴った不整な壁肥厚を認め上流胆管の拡張を伴っていた.もう1例は肝門部に低吸収腫瘤として描出された.胆管造影像ではいずれの症例でも,胆管の高度~完全な狭窄を認めた.その際施行した胆汁細胞診あるいは胆管生検にて1例で術前より腺扁平上皮癌疑いの所見が得られた.病理の結果,2例に膵浸潤を認め,2例にリンパ節転移を認め,術後病期はそれぞれStage2,3,4bであった.術後生存期間は,1例は術後合併症による在院死を認め,1例は再発・転移により術後6.2ヶ月で死亡,もう1例はgemcitabineによる術後補助化学療法を施行し術後7ヶ月経過し現在無再発生存中である.【まとめ】胆管原発の腺扁平上皮癌は稀な腫瘍であり,通常の胆管癌に比べ予後不良とされ,予後不良因子として膵浸潤やリンパ節転移が挙げられている.しかし,中でも本症例の様に術後補助化学療法にて長期生存が得られている症例もあり,文献的考察を加え報告する.
索引用語 胆管癌, 腺扁平上皮癌