セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)胆道-手術治療 |
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タイトル | 外P-235:胆嚢摘出後に偶然発見された胆嚢癌症例の検討 |
演者 | 関 崇(安城更生病院・外科) |
共同演者 | 佐伯 悟三(安城更生病院・外科), 平松 聖史(安城更生病院・外科), 雨宮 剛(安城更生病院・外科), 後藤 秀成(安城更生病院・外科), 加藤 雅也(安城更生病院・外科), 田中 寛(安城更生病院・外科), 鈴木 桜子(安城更生病院・外科), 河田 陵(安城更生病院・外科), 杉田 静紀(安城更生病院・外科), 田中 綾(安城更生病院・外科), 長谷部 圭史(安城更生病院・外科), 山本 規央(安城更生病院・外科), 新井 利幸(安城更生病院・外科) |
抄録 | 【背景と目的】画像診断の進歩に伴い進行胆嚢癌の多くは術前に診断されるが,胆嚢結石症などの診断で胆嚢摘出術を行い,術後に偶然胆嚢癌と診断される頻度は約1%と報告されている.追加切除の必要性について,胆道癌診療ガイドライン第1版ではm,mpで断端陰性なら追加切除は不要だが,ss以深なら考慮する(推奨度C1)に留め,コンセンサスが得られていない.そこで当院で偶然発見された胆嚢癌症例について検討し,臨床病理学的特徴を明らかにすることとした.【方法】2003年1月から2012年12月までの10年間で,胆嚢結石症,胆嚢炎,胆嚢腺筋症,胆嚢ポリープと術前診断し胆嚢摘出術を施行した1273例(腹腔鏡手術912例,開腹手術361例,うち他疾患との同時切除222例)のうち,術後に胆嚢癌と診断された12例(0.94%)につき検討した.【成績】術前診断(重複あり)は胆嚢結石症8例,胆嚢炎2例,胆嚢腺筋症4例,胆嚢ポリープ2例,術式は腹腔鏡手術8例,開腹手術4例(全例他疾患との同時切除)であった.深達度はm:2例,mp:6例,ss:4例,fStageはI:7例,II:4例,III:1例であった.追加切除は6例に行い,うち2例にリンパ節転移を認めた.現在まで4例が現病死,3例が他病死(全例無再発)し,5例は無再発生存中である.再発例におけるfStageはI:2例,II:2例(ともにss,n0),再発形式は全例腹膜再発で,うち3例に術中胆汁漏出を認めた.再発例における再発までの平均期間は720日,平均生存期間は1222日であった.【結論】胆嚢癌の早期診断は困難である一方,根治切除後の早期胆嚢癌(Stage I,II)では高率で長期生存が期待できる.よってたとえ胆嚢結石症の術前診断でも,常に早期胆嚢癌が潜在している可能性を念頭に置いて手術に臨むべきであり,胆汁漏出した際にはしっかり洗浄するなどの配慮が必要であると考える. |
索引用語 | 胆嚢癌, 胆嚢摘出 |