セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)胆道-手術治療 |
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タイトル | 外P-236:十二指腸乳頭部腫瘍の治療戦略における縮小手術の位置づけ |
演者 | 小泉 大(自治医大附属病院・消化器・一般外科) |
共同演者 | 佐田 尚宏(自治医大附属病院・消化器・一般外科), 眞田 幸弘(自治医大附属病院・消化器・一般外科), 田口 昌延(自治医大附属病院・消化器・一般外科), 笠原 尚哉(自治医大附属病院・消化器・一般外科), 兼田 祐司(自治医大附属病院・消化器・一般外科), 石黒 保直(自治医大附属病院・消化器・一般外科), 遠藤 和洋(自治医大附属病院・消化器・一般外科), 笹沼 英紀(自治医大附属病院・消化器・一般外科), 佐久間 康成(自治医大附属病院・消化器・一般外科), 安田 是和(自治医大附属病院・消化器・一般外科) |
抄録 | 【背景】十二指腸乳頭部腫瘍の腺腫やm癌に縮小手術が行われている.内視鏡的乳頭切除術の術後合併症や切除断端の点から,我々は経十二指腸的乳頭切除術(transduodenal papillectomy, TDP),経腹腔的乳頭切除術(transabdominal papillectomy, TAP),膵温存十二指腸分節切除術(pancreas-sparing duodenectomy, PSD)を報告してきた.【目的】十二指腸乳頭部腫瘍における治療戦略における縮小手術の位置づけを検討した.【方法】対象は1992年~2012年に手術を施行した90例のうちTDP10例,TAP4例,PSD1例の計15例(17%).【結果】男性13例,女性2例,平均年齢57.6歳(30歳~81歳).術前診断は,腺腫5例,腺癌10例.術前に超音波内視鏡検査(EUS)又は管腔内超音波検査(IDUS)を全例に行い,膵浸潤・十二指腸浸潤は認めなかった(Panc0,Du0).術後の病理検査で,腺腫7例,腺癌8例が確認された.m癌6例,od癌2例.m癌の1例で病変は粘膜内だったが,胆管進展しており断端陽性で,2期的PPPDを施行した.切除標本で胆管断端に癌遺残を認めた.od癌の1例は静脈浸潤陽性で,我々の検討ではod癌の31%にリンパ節転移を認めたため,2期的PPPDを施行した.切除標本では十二指腸開口部粘膜に癌が遺残していたが,リンパ節転移はなかった.縮小・追加手術を施行した15例は全例無再発生存中である.【まとめ】術前EUS・IDUSで膵・十二指腸浸潤陰性でも,胆管・膵管内進展する症例が存在することに注意すべきである.腫瘍の正確な深達度診断は組織学的評価でのみ可能であり,十二指腸乳頭部腫瘍の治療戦略において縮小手術はtotal biopsyとして位置づけられる. |
索引用語 | 十二指腸乳頭部腫瘍, 縮小手術 |