セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)胆道-手術治療 |
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タイトル | 外P-237:膵・胆管合流異常症に合併した胆道癌症例の検討 |
演者 | 篠崎 健太(神戸大・肝胆膵外科) |
共同演者 | 味木 徹夫(神戸大・肝胆膵外科), 岡崎 太郎(神戸大・肝胆膵外科), 松本 拓(神戸大・肝胆膵外科), 吉田 優子(神戸大・肝胆膵外科), 村上 冴(神戸大・肝胆膵外科), 大坪 出(神戸大・肝胆膵外科), 田中 正樹(神戸大・肝胆膵外科), 後藤 直大(神戸大・肝胆膵外科), 浅利 貞毅(神戸大・肝胆膵外科), 新関 亮(神戸大・肝胆膵外科), 木戸 正浩(神戸大・肝胆膵外科), 松本 逸平(神戸大・肝胆膵外科), 福本 巧(神戸大・肝胆膵外科), 具 英成(神戸大・肝胆膵外科) |
抄録 | 【緒言】膵・胆管合流異常症では膵液胆管逆流現象が見られるため胆道発癌の危険因子と考えられている.腹痛が診断契機となる症例がある一方で,無症状で経過し胆道癌を合併した状態で診断される症例も多い.当科で経験した膵・胆管合流異常症例における胆道癌合併症例について検討した. 【対象と方法】1998年~2012年の間に当科で治療を行った膵胆管合流異常症例55例中,胆道癌を合併していた22例(40%)について検討した. 【結果】男女比は4:18,平均年齢は58.6歳(36-74歳)であった.胆管合流型が2例,膵管合流型が20例であった.拡張型は10例で,戸谷分類はIa:3例,Ic:1例,IV-A:6例であった.癌の部位は胆嚢18例(肝門部胆管癌との重複1例を含む),肝門部胆管1例,上部胆管1例,下部胆管1例,肝内胆管1例であった.分流手術後に遺残胆管より胆道癌を発生した症例は2例であった.胆道癌に対して根治手術を行ったのは10例(45.4%)で,これらの病期診断は,StageI:3例,StageII:2例,StageIII:3例,StageIVa:2例であった.切除不能因子は肝転移(9例),リンパ節転移(5例),肝門部高度浸潤(2例),腹膜播種(2例)であった.非根治切除・切除不能例では塩酸ゲムシタビンを中心とした全身化学療法を行った.胆道癌症例の予後は生存4例,死亡18例であり,生存例は全例根治切除例であった.診断時からの生存期間中央値は根治切除例で494日,非根治切除例で138日であった. 【考察】膵・胆管合流異常症例は高率に胆道癌を合併し,根治切除不能症例も多かった.ただし,根治切除例でも術後の生存期間中央値は約16.3ヵ月と予後不良であり早期診断,根治手術の重要性が再確認された. |
索引用語 | 胆道癌, 合流異常 |