セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胆道-手術治療

タイトル 外P-238:

Incidental Gallbladder Cancerの臨床病理学的検討

演者 天神 和美(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科)
共同演者 小林 慎二郎(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 夕部 由規謙(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 野田 顕義(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 片山 真史(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 佐治 攻(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 櫻井 丈(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 岸 真也(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 小泉 哲(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 中野 浩(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 有泉 泰(聖マリアンナ医大病院・病院病理部), 藤野 節(聖マリアンナ医大病院・病院病理部), 高木 正之(聖マリアンナ医大病院・病院病理部), 大坪 毅人(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科)
抄録 【はじめに】良性の診断で胆嚢摘出術を施行したが,術後病理で胆嚢癌と診断される場合が稀にあり,臨床上問題となることがある.我々が行っている治療方針を評価する目的で,当院で経験したIncidental Gallbladder Cancer症例の臨床病理学的検討を行った.【対象と方法】2008年から2012年までに当院で施行した胆嚢摘出術症例806例中,病理組織診断で胆嚢癌と最終診断された19例(2.3%)について,手術分類(緊急・待機),術前画像診断,術後病理診断,追加治療の有無等について検討した.【結果】平均年齢は73.9歳(46~90歳)で男性8例,女性11例であった.胆嚢炎で緊急手術を行ったのは9例で,その全例が開腹手術であった.待機手術は10例で,そのうち7例が腹腔鏡下,3例は開腹手術であった.待機手術症例の術前診断は7例が胆嚢ポリープ,2例が胆嚢結石症,1例が慢性胆嚢炎であった.術後病理はStageIが5例,StageIIが9例,StageIIIが2例,StageIVaが2例であった.StageII以上の14例中5例は追加切除を行わなかった. StageIIの3例は80歳以上の高齢者であること,StageIIIの1例およびIVaの1例は根治度Cの手術になっており,切除不能なことが追加切除をしなかった理由であった. StageIIIでCur C手術となった症例とadenosquamousであった症例を除く17例が無再発生存中である.【考察とまとめ】ss以深胆嚢癌の場合は追加切除を行うのが一般的であるが休日夜間は病理医が不在であること,当直医が必ずしも肝切除を行う技量が備わっているとは限らないことから一期的手術は不可能と考える. 当院では待機手術においても術中迅速病理診断は行っておらず,(1)初回手術で胆汁を腹腔内散布させず,(2)適切なタイミングで適切な追加切除を行うことで予後は変わらないと考えている.
索引用語 Incidental Gallbladder Cancer, 胆嚢癌