セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)胆道-周術期管理 |
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タイトル | 外P-245:抗血栓薬服用例における胆嚢摘出術の検討 |
演者 | 大坪 出(神戸大・肝胆膵外科) |
共同演者 | 味木 徹夫(神戸大・肝胆膵外科), 岡崎 太郎(神戸大・肝胆膵外科), 篠崎 健太(神戸大・肝胆膵外科), 吉田 優子(神戸大・肝胆膵外科), 村上 冴(神戸大・肝胆膵外科), 新関 亮(神戸大・肝胆膵外科), 木戸 正浩(神戸大・肝胆膵外科), 松本 逸平(神戸大・肝胆膵外科), 福本 巧(神戸大・肝胆膵外科), 具 英成(神戸大・肝胆膵外科) |
抄録 | 背景と目的)近年高齢化に伴い,抗血栓薬服用患者の胆嚢摘出術が増加しているが,その手術時期や術式決定は議論のあるところである.今回,抗血栓薬服用が胆嚢摘出術に及ぼす影響を検討した.対象と方法)2009~2011年に良性疾患で胆嚢摘出術を施行した151例(腹腔鏡下胆嚢摘出術(Lap-C)101例,開腹胆嚢摘出術(OC)50例)のうち,抗血栓薬服用例31例(20.5%)を対象とした.胆嚢摘出術の内訳は,Lap-Cを19例(待機17例,緊急2例),OCを12例(待機9例,緊急3例)に行った.待機手術例では,ガイドライン等に沿った休薬を行った.休薬による血栓リスクの高い症例ではヘパリン化によるbridging anticoagulationを行った.各症例につき,retrospectiveに年齢,性別,出血量,在院期間や合併症について,抗血栓薬服用の及ぼす影響について検討した.結果)抗血栓薬服用31名と非服用120名を比較すると,抗血栓薬服用群では平均年齢が高く(67.5歳 対 61.2歳),平均在院期間が長い傾向が見られた(12.1日 対 11.1日).抗血栓薬の内訳は,アスピリン服用患者が最も多く18例,ワーファリンが13例,その他7例であった.11例に術前ヘパリン化を行い,Lap-C群,OC群共に非ヘパリン化例,抗血栓薬非服用例と比べ入院期間が延長した.術中出血量は抗血栓薬服用群では平均102ml,非服用群では平均93mlと差が無かった.また,アスピリン服用5例が緊急手術で,十分な休薬期間を置くことができなかったが,出血量の増加は認めなかった.輸血を要した症例は,抗血栓薬非服用群の2例のみであった.抗血栓薬服用例で合併症はLap-C群では重篤なものは認めず,OC群では麻酔導入時に心停止を認めたものが1例(心拍再開し,術後18日に退院),創感染1例,総胆管遺残結石1例であった.結論)心血管疾患合併患者の抗凝固薬服用例では非服用例よりも入院期間の延長が見られたが,適切な休薬,bridging anticoagulationを選択すること安全な手術を施行できていた. |
索引用語 | 抗血栓薬, 胆嚢摘出術 |