セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胆道-周術期管理

タイトル 外P-250:

急性胆嚢炎ガイドライン診療ガイドライン改訂による炎症所見の比較

演者 浅井 浩司(東邦大医療センター大橋病院・外科)
共同演者 渡邉 学(東邦大医療センター大橋病院・外科), 松清 大(東邦大医療センター大橋病院・外科), 斉藤 智明(東邦大医療センター大橋病院・外科), 児玉 肇(東邦大医療センター大橋病院・外科), 道躰 幸二朗(東邦大医療センター大橋病院・外科), 田中 英則(東邦大医療センター大橋病院・外科), 榎本 俊行(東邦大医療センター大橋病院・外科), 中村 陽一(東邦大医療センター大橋病院・外科), 斉田 芳久(東邦大医療センター大橋病院・外科), 長尾 二郎(東邦大医療センター大橋病院・外科), 草地 信也(東邦大医療センター大橋病院・外科)
抄録 【はじめに】急性胆嚢炎の診療ガイドラインは2005年に発刊され(旧ガイドライン),今回,2013年3月に改訂版が発刊された(新ガイドライン).今回の改訂版では重症度判定基準が変化しており,その相違を認識することは重要である.よって,今回われわれは当科で経験した急性胆嚢炎症例において,新旧ガイドラインによる重症度の比較検討を行ったので報告する.【対象と方法】1998年1月から2010年9月までに当科で胆嚢摘出術を施行し,詳細な検討が可能であった急性胆嚢炎症例233例を対象とした.急性胆嚢炎の診断はガイドラインに準じて行い,これらの症例を新旧ガイドラインに準じて重症度分類し,比較検討を行った.【結果】重症度分類の内訳は,旧ガイドラインに準じると軽症(旧)47例(20.2%),中等症(旧)109例(46.8%),重症(旧)77例(33.0%)であり,一方,新ガイドラインに準じると軽症(新) 98例(42.1%),中等症 (新)133例(57.1%),重症(新) 2例(0.8%)であった.新ガイドラインの重症(新) は2例とまれであり,以降の検討からは除外した.旧ガイドラインの軽症(旧)と新ガイドラインの軽症(新)の比較において,来院時の因子では体温,白血球数,CRP値で有意差を認め,新ガイドラインの軽症が,有意に炎症所見の高値を認めた.旧ガイドラインの中等症(旧)と重症(旧),新ガイドラインの中等症(新)の比較では,来院時の因子では年齢,発症から来院までの時間,CRP値,総ビリルビン値で有意差を認めた.CRP値は中等症(旧)12.8 mg/dL,中等症(新) 16.5 mg/dL,重症(旧)19.4 mg/dLであり,3群間のいずれにおいても有意差を認めた.【結語】今回,新旧ガイドラインの比較を行った結果,軽症(旧),軽症(新),中等症(旧),中等症(新),重症(旧)の順で有意な炎症所見の変化を認めた.今後の治療方針に注意が必要と考えられた.
索引用語 急性胆嚢炎, ガイドライン