セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胆道-その他

タイトル 外P-251:

胆嚢摘出後に判明した潜在性胆嚢癌の現状と治療方針:Yokohama Clinical Oncology Group (YCOG)アンケート調査から

演者 松山 隆生(横浜市立大・消化器・腫瘍外科)
共同演者 佐野 渉(藤沢市民病院・外科), 森 隆太郎(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 杉田 光隆(横須賀共済病院・外科), 山口 直孝(横浜市立みなと赤十字病院・外科), 窪田 徹(済生会横浜市南部病院・外科), 亀田 久仁郎(横浜市立市民病院・外科), 望月 康久(横須賀市立市民病院・外科), 高川 亮(済生会若草病院・外科), 門倉 俊明(横浜船員保険病院・外科), 松田 悟朗(国立横浜医療センター・外科), 神谷 紀之(市立伊東市民病院・外科), 遠藤 格(横浜市立大・消化器・腫瘍外科)
抄録 【背景・目的】教室の関連施設で構成するYokohama Clinical Oncology Group (YCOG)で調査を行い潜在性胆嚢癌の臨床病理学的な特徴について検討.【対象・方法】2000年1月から2009年12月までにYCOG参加12施設で経験した胆嚢摘出術6775例中の潜在性胆嚢癌について調査した.【結果】70例(1.03%)に潜在性胆嚢癌を認めた.壁深達度はm:19例(27.1%),mp:5例(7.1%),ss:35例(50%),se:11例(15.8%)だった.壁深達度m,mpの24例では二期的切除は行われず,残りの46例中24例(52.1%)で二期的切除が施行された.周囲浸潤pT別の5年生存率ではpT1:100%, pT2:51.6%, pT3/4:0%であった.壁深達度ss以深で二期的切除を行った24例(二期的切除群)と行わなかった22例(非二期的切除群)の5年生存率は二期的切除群:51.9%,非二期的切除群:29.1%で,二期的切除群で遠隔成績改善の傾向を認めた(P=0.071).さらにpT2(35例)に限定して検討すると5年生存率は二期的切除群(17例):68.4%,非二期的切除群(19例):35.5%で,二期的切除群で有意に良好であった (P=0.038).さらに二期的切除を行った24例で単解析,多変量解析を行うとpT3/4 (P=0.010, RR=7.8),術中胆汁漏出(P=0.027, RR=4.5)が独立予後不良因子.【結語】潜在性胆嚢癌に対する二期的切除の有効性が多施設研究で示された.術中胆汁漏出は本来,生存率の高い潜在性胆嚢癌の治療成績を悪化させるので,術前診断が胆嚢結石であっても胆嚢損傷を可及的に回避する必要があると考えられた.
索引用語 胆嚢癌, 潜在性