セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)胆道-その他 |
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タイトル | 外P-252:胆道癌根治切除術後無再発症例の臨床病理学的特徴 |
演者 | 今井 寿(岐阜大大学院・腫瘍外科学) |
共同演者 | 長田 真二(岐阜大大学院・腫瘍外科学), 佐々木 義之(岐阜大大学院・腫瘍外科学), 田中 善宏(岐阜大大学院・腫瘍外科学), 奥村 直樹(岐阜大大学院・腫瘍外科学), 松橋 延壽(岐阜大大学院・腫瘍外科学), 野中 健一(岐阜大大学院・腫瘍外科学), 高橋 孝夫(岐阜大大学院・腫瘍外科学), 山口 和也(岐阜大大学院・腫瘍外科学), 吉田 和弘(岐阜大大学院・腫瘍外科学) |
抄録 | 【目的】胆道癌治療においては手術の役割が大きく,再発症例に対する治療には限界がある.今回,胆道癌根治切除症例から,無再発症例の臨床病理学的特徴を調査した.【方法】2004年6月から2011年12月までの44例の胆道癌手術症例から,総合的根治度がA,Bの症例を対象とし,深達度がmp以浅の胆嚢癌症例は除外した.2012年12月の時点での再発の有無により2群に分類し,手術関連因子,術後補助化学療法の有無,病理組織学的因子,総合的進行度について比較検討した.【成績】対象症例は27例で,無再発症例が15例(55.6%),再発症例は12例(44.4%)であった.平均年齢は67.4歳(54-83歳),男女比は16:11,疾患は,肝内胆管癌6例,肝外胆管癌11例,ss以深胆嚢癌10例,術式は,肝切除術14例,膵頭十二指腸切除術10例,肝-膵頭十二指腸切除術3例であった.手術時間と出血量の中央値は,無再発群で336分と900mL,再発群で363分と1075mLであり,輸血率,術後在院日数も同等であったが,アルブミン製剤の使用率は,無再発群で40%,再発群で92%と再発群で高率であった.術後補助化学療法は,無再発群の40%,再発群の50%で施行され,補助化学療法の有無による再発率には差がなかった.再発症例でT3以上,Stage III以上の割合が有意に高率であり,リンパ節転移率も,無再発症例で33.3%,再発症例で66.7%と再発例で高率であった.病理組織学的検索では,リンパ管,静脈,神経浸潤は,再発群の全例で陽性であり,無再発群に比べ有意に高率であった.切除断端の5mm以内に癌を認めた症例は,無再発群で16.7%,再発群で88.9%と再発群で有意に高率であった.【結論】胆道癌再発には,病理組織学的悪性度や進行度が関連するが,手術においては確実な切除断端陰性の確保が重要であり,更なる治療成績の向上には,有効な周術期化学療法が必須である. |
索引用語 | 胆道癌, 術後再発 |