セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
胆道-その他
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タイトル |
外P-254:進行肝外胆管癌に対する当科での集学的治療戦略
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演者 |
豊木 嘉一(弘前大・消化器外科) |
共同演者 |
石戸 圭之輔(弘前大・消化器外科), 工藤 大輔(弘前大・消化器外科), 木村 憲央(弘前大・消化器外科), 脇屋 太一(弘前大・消化器外科), 袴田 健一(弘前大・消化器外科) |
抄録 |
「はじめに」肝外胆管癌は,最近積極的に切除されるようになり治療成績も向上してきたが未だに満足のできるものではない.補助療法の開発も進んできているが,症例数が少ない等の問題もありエビデンスのある試験も少ない.そこで当科で行っている集学的治療戦略を分析し,将来の治療戦略について考察したい.「対象」2004年1月から2011年12月までに当科で切除された131例を対象とした.進展度診断は胆道造影とMDCTで行い,切除ラインを決定,肝門周囲や広範囲胆管癌で残肝量不足と判断したものには門脈塞栓を行っている.また,TS-1による術後補助化学療法を2009年より導入している.生存率,切除断端陰性(HM,DM,EM)やR0手術の割合などで当科での方針の妥当性を検討した.「結果」59例がperihilar type,83例がdistal typeであった.142例の断端陰性化率は71.1%(HM,DM,EMすべて),胆管断端CIS率は12.7%(HM,DM),断端浸潤陽性率16.1%(HM,DM,EMのいずれか)であった.R0手術率は71.1%で,断端CISを許容するとすればR0手術率は83.8%であった.TS-1による術後補助化学療法有(45例)と無(97例)での3年無再発生存は48.5,40.0%,全生存率は60.2,53.1%であった.「考察」切除断端陰性にすることが治療成績を向上させることは言うまでもないが,胆道造影とMDCTでの進展度診断には限界があると言わざるを得ない.経口胆道鏡・管腔内超音波による観察や生検での診断の報告もあるが,問題点もある.新たなアイテムが待たれる.TS-1による補助化学療法は有効な手段であると思われた. |
索引用語 |
肝外胆管癌, 術後補助化学療法 |