セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胆道-その他

タイトル 外P-256:

代謝酵素発現による胆道癌GEM術後補助投与の効果予測の検討

演者 吉田 優子(神戸大・肝胆膵外科)
共同演者 味木 徹夫(神戸大・肝胆膵外科), 岡崎 太郎(神戸大・肝胆膵外科), 大坪 出(神戸大・肝胆膵外科), 村上 冴(神戸大・肝胆膵外科), 篠崎 健太(神戸大・肝胆膵外科), 新関 亮(神戸大・肝胆膵外科), 木戸 正浩(神戸大・肝胆膵外科), 松本 逸平(神戸大・肝胆膵外科), 福本 巧(神戸大・肝胆膵外科), 具 英成(神戸大・肝胆膵外科)
抄録 【目的】胆道癌は,治癒切除が可能であった場合でも再発例が多く,その予後は不良である.進行再発胆道癌に対する有効な抗癌剤としてGemcitabine(GEM)が認可されているが,腫瘍制御率は50-60%であり,術後補助投与におけるエビデンスはない.我々はこれまでに,進行再発胆道癌に対するGEM投与効果予測因子としてGEM代謝酵素発現の有用性を報告してきた.今回,術後補助投与例におけるGEM代謝酵素発現の意義を検討し報告する.【方法】2005年から2011年の間に,教室でR0手術を施行した胆道癌症例30例を対象にretrospectiveに検討を行った.補助化学療法は術後10週以内に開始し,GEM1000mg/m2の3投1休,6コース(18回)を原則とした.摘出標本のパラフィン包埋切片を用いhENT1・RRM1・CDAの免疫染色を施行し,陽性細胞が25%以上を高発現群とし,生存期間・再発の有無・副作用発現との関係を解析した.【結果】男女比21:9,平均年齢は62.5歳(25~80).肝外胆管癌17例,肝内胆管癌4例,胆嚢癌9例で,術式は,膵頭十二指腸切除7例,肝切除16例,その他が7例であった.各免疫染色法における高発現/低発現の内訳は,hENT1が14/16,RRM1が9/21,CDAが7/23であった.化学療法開始後の全生存期間は,hENT1高発現群の中央値は32.5ヶ月(14-94)であったのに対し,低発現群は24.5ヶ月(12-73)であった(p=0.036).また,無再発生存期間に関してもhENT1高発現群は低発現群と比較して有意に長期に及んだ(p=0.033).また,RRM1高発現群は低発現群と比較して有意差はないものの全生存期間・無再発生存期間ともに長期に及ぶ傾向にあった.一方,CDAに関しては差を認めなかった.奏効率およびGrade3以上の骨髄抑制の発現は,いずれも免疫染色の発現程度と関連がなかった.【結論】胆道癌術後GEM補助投与では,hENT1・RRM1が効果予測因子となる可能性が示唆された.
索引用語 胆道癌, GEM代謝酵素