セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胆道-症例 1

タイトル 外P-258:

胆嚢癌との鑑別を要した黄色肉芽腫性胆嚢炎の3切除例

演者 敦賀 陽介(北海道大大学院・消化器外科学分野I)
共同演者 蒲池 浩文(北海道大大学院・消化器外科学分野I), 若山 顕治(北海道大大学院・消化器外科学分野I), 柿坂 達彦(北海道大大学院・消化器外科学分野I), 横尾 英樹(北海道大大学院・消化器外科学分野I), 神山 俊哉(北海道大大学院・消化器外科学分野I), 武冨 紹信(北海道大大学院・消化器外科学分野I)
抄録 黄色肉芽腫性胆嚢炎は著明な胆嚢壁の肥厚を特徴とし,胆嚢癌との鑑別が困難な場合が多く,さらに胆嚢癌と合併する場合もあるため,臨床的に問題となることが多い.当科で経験した黄色肉芽腫性胆嚢炎切除症例3例について文献的考察を含めて報告する.【症例1】62歳,女性.乳癌術後のフォローアップCTにて胆石及び胆嚢壁の不整な肥厚を指摘された.MRIにて壁内にRAS様のT2高信号領域を認め,粘膜面に不整を認めなかったため,黄色肉芽腫性胆嚢炎疑いに拡大胆嚢摘出術を施行した.胆嚢は大腸および十二指腸と強固に癒着していたが,術中迅速病理にて悪性所見を認めず,永久標本でも黄色肉芽腫性胆嚢炎の診断であった.【症例2】73歳,女性.近医USにて胆嚢壁の肥厚を指摘され,胆嚢癌疑いにて紹介.造影CTにて胆嚢底部に壁肥厚と腹壁への浸潤が疑われ,胆嚢底部癌疑いにて拡大胆嚢摘出術を施行.術中迅速病理にて底部は黄色性肉芽腫性胆嚢炎であったが,頸部に1cm大の腫瘍を認め,胆嚢癌の診断だったため,肝外胆管亜全摘,リンパ節郭清を行った.【症例3】72歳,男性.胃癌術後フォロー中にCEA上昇を認め,CTにて胆嚢壁の肥厚を認め,PET-CTでも胆嚢に一致してSUV値19.0の集積亢進を認めたため,胆嚢癌を疑われた.USでは粘膜面は保たれており,黄色肉芽腫性胆嚢炎を疑ったが,癌の合併を否定できないため,拡大胆嚢摘出術を施行した.術中迅速病理にて悪性所見を認めず,永久標本でも黄色肉芽腫性胆嚢炎の診断であった.【結語】MDCTやMRI,USにて粘膜面の連続性は黄色肉芽腫性胆嚢炎を疑う所見であるが,胆嚢癌の合併を完全には否定できないため,過不足ない手術を行うためには術中迅速病理診断が重要である.
索引用語 黄色肉芽腫性胆嚢炎, 胆嚢癌