セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胆道-症例 1

タイトル 外P-259:

急性胆嚢炎高度癒着に対して大網充填した1例

演者 森田 洋平(筑波メディカルセンター病院・消化器外科)
共同演者 奥田 洋一(筑波メディカルセンター病院・消化器外科), 大原 佑介(筑波メディカルセンター病院・消化器外科), 永井 健太郎(筑波メディカルセンター病院・消化器外科), 山田 圭一(筑波メディカルセンター病院・消化器外科), 山本 雅由(筑波メディカルセンター病院・消化器外科)
抄録 【症例】79歳男性【現病歴】2012年12月から胆石,胆嚢炎を繰り返していた.今回も症状が再燃して2013年1月に入院した.抗生剤で保存的に改善したものの繰り返すため,手術目的で当科紹介された.【既往歴】67歳で狭心症,心房細動(抗凝固薬内服中)【経過】術前検討では胆石,胆嚢炎で総胆管結石を合併していないことを確認した.既往歴からリスクが高く,開腹胆嚢摘出術を施行することとした.抗凝固薬をヘパリン化して,入院後17日目に手術した.胆嚢を確認すると周囲と強固に癒着していた.胆嚢中央部付近で腹腔側,肝床側の剥離が不能となった.その部位で胆嚢を切除して,結石を摘出してよく洗浄した.粘膜を電気メスで焼灼して,胆嚢壁の閉鎖を考えたが,壁が高度に肥厚しており,脆弱な状態で縫合閉鎖は不能であった.胆嚢管の処理が不能であり,大網をトリミングして残存胆嚢内に充填した.壁が脆弱であり,強く固定できなかったため,ボルヒールで周囲を固着させて手術を終了した.術後経過良好で2PODから食事摂取を開始した.3PODに腹痛があり,ドレーン性状を確認したところ胆汁漏であった.絶食で様子を見たところ,4PODから改善した.その後,11PODから再度食事摂取を開始した.その後は胆汁漏の再発なく経過し,抗凝固薬の効きを待って18PODに退院した.【考察】高度癒着胆嚢炎に対して大網充填した例は4例の報告を認めるのみである.高度癒着例にたいして有効な方法と考えられたため報告する.
索引用語 胆嚢炎, 大網充填