セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)胆道-症例 1 |
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タイトル | 外P-261:Choledochoceleに合併した胆管異型性の1例 |
演者 | 黒川 勝(石川県立中央病院・消化器外科) |
共同演者 | 北村 祥貴(石川県立中央病院・消化器外科), 林 沙貴(石川県立中央病院・消化器外科), 佐藤 礼子(石川県立中央病院・消化器外科), 奥出 輝夫(石川県立中央病院・消化器外科), 森山 秀樹(石川県立中央病院・消化器外科), 小竹 優範(石川県立中央病院・消化器外科), 稲木 紀幸(石川県立中央病院・消化器外科), 伴登 宏行(石川県立中央病院・消化器外科), 山田 哲司(石川県立中央病院・消化器外科) |
抄録 | 57歳,女性.胃癌検診でペプシノーゲン検査陽性のため当院消化器内科受診.上部消化管内視鏡検査で十二指腸乳頭部に腫瘍性病変が疑われた.その後の精査で十二指腸乳頭部癌が疑われ,手術加療目的に当科紹介となった.上部消化管内視鏡検査では十二指腸乳頭部に発赤および腫脹を認め,NBI拡大内視鏡検査で不均一なMCE(marginal crypt epithelium)および明瞭なDL(demarcation line)を認めた.乳頭部からの生検でadenocarcinomaが疑われた.超音波内視鏡検査では拡張した総胆管下部に約2.2cm長のisoechoicな部分を認めた.ERCP検査で肝外胆管の拡張および下部胆管に隆起を認めた.腹部CT検査では下部胆管に造影早期より濃染される腫瘤様隆起を認めた.以上より,十二指腸乳頭部癌を疑い手術(亜全胃温存膵頭十二指腸切除術)を施行した.切除標本では同部の粘膜は塑像ではあったが,明らかな腫瘍性病変は認めなかった.また,総胆管下部に憩室様構造(胆管瘤)を認めた.病理組織学的には下部胆管と連続して固有筋層を伴った憩室の形成が認められ,その憩室内およびその周囲胆管の一部に異型腺管が増殖,進展しており,choledochocele with dysplasiaと診断した.Choledochoceleは,胆管の末端が十二指腸内腔に向かって嚢腫状に拡張する奇形で,先天性胆道拡張症に関するAlonso-Lejらの分類ではIII型に相当する.形態的には膵・胆管合流以上を伴わず,胆道癌発生は少ないとされていた.しかし,最近の報告では胆道癌の発生を関連づける報告が散見されるようになってきており,他の先天性胆道拡張症と同様に取り扱いが問題となってきているためここに報告する. |
索引用語 | Choledochocele, 先天性胆道拡張症 |