抄録 |
肝外胆管癌は腫瘍径が小さくても黄疸,肝機能障害などの症状から精査, 診断に至る例が多い.今回我々は 9.0×4.0×1.5cm大に発育した中部胆管癌を経験したので報告する. 症例は50歳代男性,2011年11月ころより褐色尿を自覚していた.12月になり近医受診,肝機能障害,黄疸を指 摘され12月上旬当院紹介となった.食欲不振をみとめており入院の上精査することとなった.CTでは総胆管, 肝内胆管の拡張をみとめ総胆管内には充実性の腫瘍をみとめた,MRIでも同様の所見で総胆管嚢腫も疑われ た.内視鏡的逆行性胆管造影を行うと胆管内に陰影欠損をみとめた.総胆管に挿管できず逆行性ドレナージは 断念,経皮経肝ドレナージを行った.この際隆起性病変のため遠位の胆管は造影されなかった. 諸事情により一度退院し2012年1月下旬再入院,1月下旬膵頭十二指腸切除術行った.病理組織学的にはpatBm, 乳頭膨張型, 9cm, tub3, ss, med, INFα, ly1, v0, pn1b, pHinf0, pGinf0, pPanc0, pDu0, pV0, pA0, stageIIであった. 術後,腸閉塞みとめたが経過は概ね良好であった. 胆嚢癌や肝内嚢胞腺癌では巨大に発育した胆道癌の報告も散見されるが,総胆管嚢腫に合併した巨大胆管癌の 報告は稀であり文献的考察を加え報告する. |