セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胆道-症例 3

タイトル 外P-268:

肝門部胆管原発内分泌細胞癌の1切除例

演者 小林 仁存(国立水戸医療センター・外科)
共同演者 小山田 尚(国立水戸医療センター・外科), 小泉 雅典(国立水戸医療センター・外科), 寺島 徹(国立水戸医療センター・外科), 湯澤 賢治(国立水戸医療センター・移植外科), 小崎 浩一(国立水戸医療センター・移植外科), 加藤 丈人(国立水戸医療センター・外科), 岩崎 健一(国立水戸医療センター・外科), 盧 尚志(国立水戸医療センター・外科), 植木 浜一(国立水戸医療センター・外科), 大谷 明夫(国立水戸医療センター・病理診断科)
抄録 症例は61才の男性.2012年11月黄疸を主訴に当院消化器科を受診,採血上閉塞性黄疸を認め精査加療目的に入院となった.CTおよびMRIで,上部~肝門部胆管にかけて腫瘍性閉塞を認め,著明な肝内胆管拡張,胆嚢腫大を呈していた.腫瘍はT1強調像で低信号,T2強調像で中間信号,拡散強調像で高信号を示し,造影効果を認めた.また,同部より胆嚢管および左肝管へ胆管壁不整が連続していた.明らかなリンパ節転移や,肝動脈,門脈への浸潤所見は認めなかった.ERCPでは上部胆管で下に凸,比較的境界明瞭な陰影欠損として描出された.腫瘍マーカはCEA 5.8 ng/ml,CA19-9 25.8 U/mlであった.腫瘍部からの擦過細胞診は判定不能の評価であったが,画像所見より胆管癌が強く疑われ,手術目的に当科紹介となった.ERCP時に胆管右前枝にチューブステントを留置し減黄を図った後,同年12月肝左葉切除+尾状葉切除+肝外胆管切除+肝管空腸吻合再建術を施行した.病理組織学的検査では,小型の未分化な異形細胞の増充実状,シート状増殖を認め,chromogranin A陽性,synaptohysin陰性,CD56陰性,Ki67 labeling index 30%より内分泌細胞癌と診断した.進行度はpT2,pN0,cM0,f stage 2であった.術後3ヵ月現在,再発兆候は認めていない. 胆管原発の内分泌細胞癌は本邦で30余例が報告されるのみであり,その多くが中下部胆管原発とされる.今回,肝門部胆管原発内分泌細胞癌という極めて稀な症例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
索引用語 胆管癌, 神経内分泌腫瘍