セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
大腸-手術治療 1
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タイトル |
外P-273:直腸癌手術における中枢方向のリンパ節郭清範囲の予後への影響 ~傾向スコアマッチング法を用いた解析~
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演者 |
瀬尾 雄樹(慶應義塾大・一般消化器外科) |
共同演者 |
岡林 剛史(慶應義塾大・一般消化器外科), 長谷川 博俊(慶應義塾大・一般消化器外科), 石井 良幸(慶應義塾大・一般消化器外科), 遠藤 高志(慶應義塾大・一般消化器外科), 杉原 健一(大腸癌術後フォローアップ研究会), 北川 雄光(慶應義塾大・一般消化器外科) |
抄録 |
【目的】本邦における大腸癌治療ガイドライン2010年版(大腸癌研究会)では,直腸癌手術における中枢方向のリンパ節郭清においてその深達度によって郭清の程度を分けられているが,本邦において直腸癌根治手術におけるリンパ節郭清範囲と予後を比較検討した大規模な検証は行われていない.今回,われわれは,根治手術を施行した直腸癌におけるリンパ節郭清範囲の予後への影響を明らかにすることを目的とした.【方法】1997年から2000年までの間に,大腸癌術後フォローアップ研究会に参加した18施設で,根治手術を施行した直腸癌838症例を対象とした.中枢方向のリンパ節郭清に関して,下腸間膜動脈根部での血管処理(D3郭清)群と,上直腸動脈での血管処理(D2郭清)群に分け,全生存期間に与える影響を傾向スコアマッチング法とカプランマイヤー法を用いて解析した.【結果】傾向スコア解析によりマッチした症例は613症例で,観察期間中央値76(範囲:1-153)か月,男:女=359:254,年齢中央値62(範囲:23-92)歳,StageI:StageII:StageIII=241:167:205であった.傾向スコアマッチング法を用いた場合,下腸間膜動脈根部での血管処理群と上直腸動脈での血管処理群との間で,全生存期間に有意差は認められなかった(Hazard Ratio = 0.947 [95% Confidence Interval ; 0.657-1.364]; p=0.769).【結語】直腸癌根治手術における中枢方向の郭清の程度は予後に影響を与えなかった. |
索引用語 |
propensity score, 直腸癌 |