セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-手術治療 1

タイトル 外P-274:

結腸癌手術における機能的端々吻合と手縫い吻合の短期成績の検討

演者 高木 和俊(獨協医大・2外科)
共同演者 永田 仁(獨協医大・2外科), 石塚 満(獨協医大・2外科), 岩崎 喜実(獨協医大・2外科), 寺崎 梓(獨協医大・2外科), 窪田 敬一(獨協医大・2外科)
抄録 【目的】結腸癌手術における自動吻合器を用いた機能的端々吻合と手縫い吻合の比較検討.【対象】2009年2月から2013年2月までに当科で施行した合併切除術を伴わない結腸癌開腹手術症例118例.【方法】当科で機能的端々吻合を採用した2010年5月以降の症例群(以下A群)65例と,それ以前の手縫い吻合症例群(以下B群)53例の2群間で,年齢,性別,手術時間,出血量,術後合併症(創感染症,縫合不全,吻合部出血,腸閉塞)の有無,術後在院日数について比較検討した.機能的端々吻合は自動吻合器4個を用いて行った.手縫い吻合は端々吻合・層々二層縫合で行った.【成績】年齢はA群73.79±1.27歳,B群71.38±1.49歳であった(p=0.2188).性別はA群で男性:女性=38:27,B群で男性:女性=31:22であった(p>0.9999).手術時間はA群153.83±5.59分,B群190.62±11.49分であった(p=0.0029).出血量はA群167.88±56.77ml,B群138.79±22.90であった(p=0.6613).創感染症はA群22例(33.9%),B群20例(37.7%)であった(p=0.7019).縫合不全はA群0例(0.00%),B群2例(3.77%)であった(p=0.1996).吻合部出血はA群4例(7.58%),B群0例(0.00%)であった(p=0.0037).腸閉塞はA群4例(6.15%),B群7例(13.21%)であった(p=0.2175).術後在院日数はA群15.46±0.98日,B群20.76±2.24日であった(p=0.0231).2群間で年齢,性別に有意差は認められなかった.手術時間はA群で有意な減少を認めた.出血量には有意差は認められなかった.創感染症,縫合不全,腸閉塞の発症率には有意差は認められなかったが,吻合部出血の発症率はA群で有意に高かった.術後在院期間はA群で有意に短縮した.【結論】機能的端々吻合は手術時間を有意に短縮させ,その有用性が示唆された.術後合併症の発症率を減少させなかったが,術後在院期間を有意に短縮させた.
索引用語 結腸癌, 再建術式