セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)大腸-手術治療 1 |
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タイトル | 外P-276:多発肝転移を伴う肛門外に浸潤した進行直腸癌の治療経験 |
演者 | 徳毛 誠樹(国立岡山医療センター・外科) |
共同演者 | 岡田 晃一郎(国立岡山医療センター・外科), 難波 圭(国立岡山医療センター・外科), 柿下 大一(国立岡山医療センター・外科), 秋山 一郎(国立岡山医療センター・外科), 國末 浩範(国立岡山医療センター・外科), 太田 徹哉(国立岡山医療センター・外科), 藤原 拓造(国立岡山医療センター・外科), 臼井 由行(国立岡山医療センター・外科), 内藤 稔(国立岡山医療センター・外科) |
抄録 | 肛門外に浸潤した直腸・肛門の悪性腫瘍は,根治切除のために病巣の広がりに応じた周囲臓器の合併切除を要する場合がある.また,合併切除に伴う会陰部の組織欠損が大きい場合,創部の閉鎖が困難になることがある.われわれは,多発肝転移を伴う肛門外に浸潤した進行直腸癌に対して会陰再建を要する腹会陰式直腸切断術を行い,QOLを維持しつつ治療している症例を経験したので報告する. 症例は70代の女性.両側変形性膝関節症・股関節症の既往があったが,在宅生活をされていた.徐々に歩行が困難となり,全身倦怠が増強したとして近医を受診し入院となった.肛門から脱出する手拳大の易出血性の腫瘤を認め,肛門周囲に膿瘍を形成していた.精査加療目的で翌日に当院に転院となったが,肛門周囲痛のために仰臥位はとれず,腫瘍からの出血による貧血と低栄養状態を呈していた.画像検査で多発肝転移を伴う肛門外に浸潤する進行直腸癌と診断した.全身状態を鑑みて一期的切除は危険と判断し,まずS状結腸の双孔式人工肛門造設術,肛門周囲膿瘍のドレナージを実施した.膿瘍の縮小を待って全身化学療法を導入し,腫瘍縮小効果が認められたため原発巣ならびに肝転移巣の切除を計画した.初診時よりも全身状態が改善したとはいえ,同時切除はやはり過大侵襲と考えられた.原発巣からの出血,肛門周囲痛の症状が軽快していたため,非典型的であるが肝転移巣の切除を先行した.多発肝転移を中央二区域切除で切除し,約1カ月後に原発巣の切除を行った.肝転移切除後の待機中に原発巣の再増大を認めたが,膣後壁,尾骨,肛門周囲皮膚・皮下組織の合併切除を行い一塊で切除した.術前から想定されていたが,会陰組織の欠損が大きく閉鎖不可能であったため,右薄筋・縫工筋の筋皮弁を用いて会陰を再建し閉鎖した.術後は骨盤死腔炎を起こすことなく軽快し,既往疾患の影響で歩行はできていないものの化学療法を再開し加療継続中である. |
索引用語 | 直腸癌, 会陰再建 |