セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-手術治療 1

タイトル 外P-278:

当科における大腸癌肝転移切除症例の検討

演者 森川 充洋(福井大・1外科)
共同演者 五井 孝憲(福井大・1外科), 藤本 大裕(福井大・1外科), 澤井 利次(福井大・1外科), 小練 研司(福井大・1外科), 村上 真(福井大・1外科), 廣野 靖夫(福井大・1外科), 飯田 敦(福井大・1外科), 片山 寛次(福井大・1外科), 山口 明夫(福井大・1外科)
抄録 【目的】大腸癌肝転移に対する治療として最も有効な治療は肝切除であり,切除可能な肝転移に切除を行った場合40%前後の5年生存率が得られるとされている.2004年以降FOLFOX,FOLFIRI,分子標的薬の出現により更なる予後の改善が期待される.当科において上記化学療法導入後の2004年1月より2012年12月に初回肝切除を施行した大腸癌肝転移症例45例について検討を行った.【方法】初発時のstage分類はI/II/IIIa/IIIb/IVがそれぞれ1/8/5/5/26例であった.同時性/異時性肝転移は25/20例,肝転移治療開始時の肝転移の状況はH1/H2/H3が34/9/2例であった.肝切除の術式は葉/区域/亜区域/部分切除が14/7/3/21例であった.肝切除後の肝転移再発に対して11例に再切除を施行した.肝切除時に肝外の遠隔転移を8例に認めた(肺:4例,216LN:3例,腹膜転移:2例).【成績】他の遠隔転移のない肝切除37症例を対象に予後を検討した.全症例の3年生存率は82.0%,5年生存率は65.1%であった.同時性/異時性肝転移症例の肝切除後の3年生存率は84.6%/80.0%,5年生存率は63.5%/68.6%であった.異時性肝転移の肝転移出現までの期間の中央値は11ヶ月(5-42ヵ月)であった.H1/H2症例の肝切除後の3年生存率は85.0%/71.4%,5年生存率は68.7%/71.4%であった.【結論】今回の検討では,治癒切除肝切除症例の3年生存率82.0%,5年生存率65.1%と良好な成績が得られた.切除可能な肝転移症例に関しては積極的に切除を試みるとともに,新規抗癌剤の併用によりさらなる長期予後が期待されると考えられる.
索引用語 大腸癌, 肝転移