セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)大腸-手術治療 2 |
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タイトル | 外P-282:局所進行下部直腸癌に対する術前化学放射線療法併用内肛門括約筋切除術(ISR)の成績 |
演者 | 東島 潤(徳島大・消化器・移植外科) |
共同演者 | 佐藤 宏彦(徳島大・消化器・移植外科), 栗田 信浩(徳島大・消化器・移植外科), 岩田 貴(徳島大・消化器・移植外科), 吉川 幸造(徳島大・消化器・移植外科), 近清 素也(徳島大・消化器・移植外科), 西 正暁(徳島大・消化器・移植外科), 柏原 秀也(徳島大・消化器・移植外科), 松本 規子(徳島大・消化器・移植外科), 島田 光生(徳島大・消化器・移植外科) |
抄録 | 【目的】近年,下部直腸癌に対してIntersphincteric resection(ISR)での肛門温存手術が実施され,術前化学放射線療法(CRT)も施行されている.局所進行下部直腸癌に対する術前CRT併用ISR後の根治性と排便機能について検討した.【対象・方法】1.2000年から2012年のCRT症例43例(ISR14例,APR 29例)で臨床病理学的因子と根治性を比較検討した.2. 2000年から2012年のCRT症例41例(ISR14例,LAR 27例)とその内アンケート可能な19例(ISR 7例,LAR 12例)で術後合併症と排便機能を比較検討した.【結果】1.臨床病理学的因子ではISR群で腫瘍径が小さい傾向を認めた.予後は5年生存率(ISR:APR)は85.7%:96.2%,5年無再発生存率は57.1%:64.5%で差を認めなかった.局所再発率は21.4%:13.8%でISR群で多い傾向を認め,吻合関連再発を縫合不全2症例で認めた.遠隔再発率は21.4%:24.1%で差を認めなかった.再発臓器はISRでは20%が肺転移,60%が肝転移,APRで33.3%が肺転移,22.2%が肝転移であり,ISRで肝転移が多い傾向を認めた.2.合併症率(ISR:LAR)は36%:30%,縫合不全率は21%:19%で差を認めず,吻合部狭窄率は29%:15%でISRで多い傾向を認めた.一時的人工肛門閉鎖率は58.3%:66.7%で差が無く,,再造設率は28.6%:14.3%でISR群で多い傾向を認めた.平均排便回数/日(ISR:LAR)(1年,3年)は(5.0,2.0:6.6,5.0)で,平均Wexner score(WS)は7.5,2.8:6.0,2.3で差は無く,両群とも経時的に改善した. 【結語】術前 CRT 後の ISR は腫瘍学的には APR と同等だが,人工肛門非閉鎖率が高い傾向があり術式選択は慎重にすべきである. |
索引用語 | ISR, 術前CRT |