セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-手術治療 3

タイトル 外P-286:

術前化学療法投与期間と腫瘍マーカーの推移からみた至適肝切除時期

演者 天野 良亮(大阪市立大・腫瘍外科)
共同演者 木村 健二郎(大阪市立大・腫瘍外科), 村田 哲洋(大阪市立大・腫瘍外科), 平田 啓一郎(大阪市立大・腫瘍外科), 山添 定明(大阪市立大・腫瘍外科), 永原 央(大阪市立大・腫瘍外科), 久保 尚士(大阪市立大・腫瘍外科), 田中 浩明(大阪市立大・腫瘍外科), 六車 一哉(大阪市立大・腫瘍外科), 大谷 博(大阪市立大・腫瘍外科), 八代 正和(大阪市立大・腫瘍外科), 前田 清(大阪市立大・腫瘍外科), 仲田 文造(市立柏原病院・消化器外科), 大平 雅一(大阪市立大・腫瘍外科), 平川 弘聖(大阪市立大・腫瘍外科)
抄録 【背景】近年の化学療法治療成績の向上により切除困難症例に対しての術前化学療法が注目されている.一方,抗癌剤投与による肝障害も報告されており投与期間や切除タイミングが問題となる.今回,術前化学療法長期投与の周術期肝機能への影響と腫瘍マーカーの推移に着目し,至適肝切除時期について検討した.【対象】2006年1月~2013年1月までに切除困難例に対してCPT-11またはL-OHPによる術前化学療法を行った26症例(男性16例/女性10例,平均年齢61.9歳,同時性18例/異時性8例.)【方法】10クール以上行った長期投与群(9例:17.9クール)と9クール以下の対照群(17例:5.4クール)で周術期肝機能や合併症について比較検討した.また術前CEA変動による術後再発についても検討した.【結果】化学療法前後のH因子はH1/H2/H3:12/10/4→16/6/4であった.全症例の術前ICG15分値は16.75%(中央値),肝障害度A:24例,B:2例であり,他の術前・術後7日目の血清学的肝機能値に両群間では有意差はなかった.術式は部分切除:13例,区域切除:4例,葉切除:9例.術後合併症率(44.4% vs 35.3%),術後在院日数(18.1日 vs 15.1日)にも有意差は認めなかった.術後再発・新病変は57.7%(15例)に認めた.化学療法中のCEA上昇群(15例)と化学療法終了時から切除直前のCEA上昇群(15例)の再発率はともに66.7%(10/15例)であり,いずれかの期間にCEA上昇を認めた群では80%(12/15例)と非上昇群と比較して有意に高率であった.【結語】術前肝機能評価を十分考慮すればCPT-11またはL-OHPによる術前化学療法の長期投与は周術期への影響は少ないと考えられる.また切除時期を考慮する上で術前CEA値の推移が有用である.
索引用語 大腸癌肝転移, 術前化学療法