セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-鏡視下手術 1

タイトル 外P-290:

教育機関で行うハイブリッド腹腔鏡補助下単孔虫垂切除術

演者 栗山 翔(日本医大付属病院・1外科)
共同演者 山田 岳史(日本医大付属病院・1外科), 菅 隼人(日本医大付属病院・1外科), 小泉 岐博(日本医大付属病院・1外科), 水口 義昭(日本医大付属病院・1外科), 進士 誠一(日本医大付属病院・1外科), 内田 英二(日本医大付属病院・1外科)
抄録 【背景】教育機関では虫垂切除術は教育手術として重要である.我々は2011年4月より,研修医執刀により臍および恥骨上のポートを使用し,LCSで虫垂間膜処理を行い,必要な症例では下回盲ひだを切離し臍部創から虫垂を腹腔外に誘導し,開腹手術と同様に虫垂根部の処理するハイブリッド術式を行ってきた.手技が安定したため2012年4月より単孔式に変更し,ハイブリッド手術を継続している.高度炎症例にたいしてはinterval appendectomy(IA)の適応とし,研修医執刀にて単孔式ハイブリッド手術を行っている.我々がこれまでに行ってきた単孔式ハイブリッド手術を振り返り,その成績およびpit fallを紹介する.【対象】対象は2012年4月より当科で行った単孔式ハイブリッド虫垂切除術の連続した54症例(IAを10例含む).汎発性腹膜炎あるいはCTにて明らかな膿瘍を認める症例は本術式の対象としていない.【結果】1例(1.9%)は開腹移行となった.53例の平均出血量は18.3ml,手術時間は78.9分であった.17例(32.1%)は虫垂間膜を含めいずれの部位の切離も行わず虫垂を臍部の創より腹腔外へ引き出すことができた.21例は虫垂間膜を切離するのみで,虫垂を腹腔外へ引き出すことができた.9例は下回盲ひだのみあるいは下回盲ヒダと虫垂間膜を切離することで虫垂を腹腔外に誘導することが可能であり,その他の部位の切離を必要とした症例は6例(11.3%)のみであった.6例中4例は壊疽性であった.これまでのところ術中他臓器損傷,術後イレウス,膿瘍等の合併症を認めていない.【考察】研修医執刀単孔式ハイブリッド手術は安全に行える.約9割の症例では虫垂間膜および下回盲ヒダ以外の部位を切離することなく虫垂を腹腔外に引き出すことが可能である.IA症例もすべて研修医執刀にて単孔式ハイブリッド手術を行っているが,全例術後3日以内に退院が可能である.
索引用語 腹腔鏡下虫垂切除術, 単孔式