セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
大腸-鏡視下手術 1
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タイトル |
外P-293:肥満大腸癌に対する腹腔鏡下手術の有用性
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演者 |
中村 隆俊(北里大・外科) |
共同演者 |
三浦 啓寿(北里大・外科), 筒井 敦子(北里大・外科), 小倉 直人(北里大・外科), 内藤 正規(北里大・外科), 佐藤 武郎(北里大・外科), 渡邊 昌彦(北里大・外科) |
抄録 |
背景/目的 肥満患者に対する腹腔鏡下大腸癌手術の長期的なアウトカムは未だ不明である.BMIが25以上の肥満症例患者に対する腹腔鏡下結腸癌手術の成績を,臨床病理学的に背景の同じBMIが24以下の腹腔鏡下結腸癌手術例と比較し,BMI25以上の肥満患者に対する腹腔鏡下結腸癌手術の妥当性について検討した.対象/方法 1995年から2006年までの間に,Stage1~3結腸癌のうち腹腔鏡下手術を施行した症例で,性別,占居部位,手術日(±5年),pTNM StageがマッチングできたBMI25以上の結腸癌患者(肥満群)140例と,BMI24以下の結腸癌患者(標準群)140例の腫瘍学的アウトカムを比較検討した.結果 肥満群は,標準群に比べて,BMIが有意に高く(p<0.0001)に高かった.肥満群と標準群の観察期間の中央値は,それぞれ60ヶ月と58ヶ月で有意差は認めなかった.開腹手術への移行率は,肥満群で3.3%(4/140例),標準群では2.3%(3/140例)で有意差は認めなかった.術後合併症は肥満群では15%(21/140例),標準群は6%(9/140例)で有意差を認めた(p=0.034).初発再発形式には,両群間に有意差はなく,ポート部再発も認めなかった.Stage1,2の場合は,無再発生存率および全生存率は肥満群で,98.6%,98.8%,標準群では97.8%,97.8%で両群に有意差は認めなかった.また,Stage3の場合でも,無再発生存率および全生存率は肥満群で,77.2%,79.4%,標準群では83.4%,84.9%で両群に有意差は認めなかった.結論 われわれの単一施設での腹腔鏡下結腸癌手術は,肥満群では標準と比較して術後合併症が有意に多かった.長期的な腫瘍学的アウトカムは,肥満群と標準群で同等であった.肥満群の腹腔鏡下結腸癌切除術の妥当性が明らかとなった. |
索引用語 |
肥満, 腹腔鏡下手術 |