セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-鏡視下手術 2

タイトル 外P-295:

pure TANKOを通常の腹腔鏡下手術に近づけるための工夫

演者 日比 健志(昭和大藤が丘病院・外科DELIMITER東海中央病院・外科)
共同演者
抄録 【目的】単孔式を行うにあたって重要なことは,通常の腹腔鏡下手術と同等の安全性,確実性を確保出来る手術でなければならない.【方法】1.単孔式においても可能な限り挿入口同士の距離は離れていた方が良い.大腸癌の手術においては,癌を含む腸管を腹腔外に出さなければならないので,最低でも3,4 cmの皮切は必要となる.そして大腸癌が大きければ大きい程,皮切を大きくする必要があり,その分挿入口同士の距離は離すことが出来るようになる.2.皮切の距離を挿入口の距離に最も反映させることが出来る手法は,2.皮切の距離を挿入口の距離に最も反映させることが出来る手法は,今のところ,フリーアクセスを使用する方法である.この場合,3cmの皮切でも6cm程度の鉗子間距離を得ることが出来る.3.現在はエンドグラブを用いて腹腔内で臓器の吊り上げを行うことでpure TANKOの難度を下げている.pureで難しい場合は5 mm径鉗子と同等の操作性を持つ2 mm細径鉗子をアシストとして用いている.ドレーンが必要と考えられる手術に限って,替わりに5 mm径トロッカーを挿入し,術後のドレーン孔として使用している.【成績】去年12月までに182例(腹会陰式直腸切断術から回盲部切除術まで)に単孔式手術を完遂している.開腹移行を5例に認めるが,腹腔内強度癒着もしくは術中出血が原因である.技術認定医の元であれば,執刀は通常の鏡視下手術を行う技量があれば,特に困難無く施行可能であり,当院では若手医師が行っている.手術時間は90-640分と幅があるが,短期術後合併症は今まで認められず,いずれの患者も2週間以内に退院可能となっている.長期においては,臍ヘルニアを2例に認めているのみで,感染や腸閉塞等は認めていない.
索引用語 単孔式, 大腸癌