セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-鏡視下手術 3

タイトル 外P-304:

大腸癌に対する単孔式腹腔鏡補助下回盲部切除術の低侵襲性に関する検討

演者 進士 誠一(日本医大・外科)
共同演者 菅 隼人(日本医大・外科), 松本 智司(日本医大千葉北総病院・外科), 山田 岳史(日本医大・外科), 小泉 岐博(日本医大・外科), 山岸 杏彌(日本医大・外科), 原 敬介(日本医大・外科), 内田 英二(日本医大・外科)
抄録 【目的】当科における単孔式腹腔鏡補助下回盲部切除術(TANKO)の成績を通常の腹腔鏡補助下回盲部切除術(LA)と比較し検討した.【方法】2010年1月から2012年12月までに行ったTANKO群10例とLA群19例を比較した.<EZアクセスを用いたTANKOの手技>臍部に約3cmの縦切開を置き小開腹.ラッププロテクターを装着し,あらかじめ5mmのトロカールを3本挿入したEZアクセスを装着し気腹.スコープは5mmフレキシブルスコープを使用.必要に応じ,右下腹部から1ポート(助手用)を追加.内側アプローチにてリンパ節郭清を行い,体外で機能的端々吻合にて再建.ドレーン留置なし.<LAの手技>5ポートでアプローチし,リンパ節郭清,腸管切離・再建はTANKOと同様の方法で行った.【成績】患者背景ではTANKO群で有意に盲腸癌の割合が多かった(TANKO:LA=90.0:42.1 %,p=0.01).性別,年齢,BMI,pStage,再建方法に差はなかった.手術時間(TANKO:LA=195±46:195±27 分,p=0.95),出血量(TANKO:LA=83±91:52±65 ml,p=0.50),D3郭清の割合(TANKO:LA=70.0:78.9%,p=0.59),リンパ節検索個数(TANKO:LA=17.2±7.1:15.5±7.1 個,p=0.41),腫瘍径(TANKO:LA=36.5±16.0:43.3±24.2 mm,p=0.63)で両群に有意差は認めなかった.創部長(TANKO:LA=42±12.7:69±5.7 mm,p<0.0001),手術当日のCRP値(TANKO:LA=0.10±0.0:0.49±0.2 mg/dl,p=0.02),術後1日目のCRP値(TANKO:LA=6.41±1.4:9.16±0.9 mg/dl,p=0.04)であり,有意にTANKO群の創部長が短く,術当日と術翌日のCRP値が低かった.術前(p=0.07),術後3日目(p=0.63),術後7日目(p=0.86)のCRP値に差は認めなかった.【結論】回盲部切除術におけるTANKOはLAと変わらない安全性,根治性を有し,より低侵襲なアプローチ法と考えられた.
索引用語 大腸癌, 単孔式