セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)大腸-鏡視下手術 5 |
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タイトル | 外P-312:術前放射線化学療法後に腹腔鏡下低位前方切除術を行った下部直腸癌の手術成績 |
演者 | 吉江 秀範(明和病院・外科) |
共同演者 | 後野 礼(明和病院・外科), 竹中 雄也(明和病院・外科), 堀尾 勇規(明和病院・外科), 永田 健(明和病院・外科), 前田 晃宏(明和病院・外科), 小野 朋二郎(明和病院・外科), 友松 宗史(明和病院・外科), 別府 直仁(明和病院・外科), 北濱 誠一(明和病院・外科), 飯田 洋也(明和病院・外科), 生田 真一(明和病院・外科), 岸本 昌浩(明和病院・外科), 木村 文彦(明和病院・外科), 相原 司(明和病院・外科), 柳 秀憲(明和病院・外科), 山中 若樹(明和病院・外科) |
抄録 | 【はじめに】当院では進行下部直腸癌に対し,腫瘍縮小効果,局所制御能の向上および肛門温存率向上のため術前放射線化学療法(CRT)を行っている.T3以深またはN(+)症例に対し25Gy5日間10分割術前短期照射,T4症例に対し45Gy25分割長期照射を行い,化学療法を併用する(S-1±CPT-11).照射終了後,短期照射例は2週間,長期照射例は4~8週間の待機期間をおいて腹腔鏡下手術を行う.全例に一時的人工肛門を造設する.腫瘍下縁が肛門縁から5cm以上の場合低位前方切除術(LAR),5cm以内の場合は内括約筋切除を伴う肛門温存手術(ISR)を行うが,鏡視下での肛門管剥離技術の向上により,従来よりも低位の症例に対してもLARが可能となっている.しかし術前待機期間の長さや,手術時の組織の浮腫,線維化等が問題となる.CRTを行ったLARの手術成績について検討した.【対象】2009年10月から2012年12月までに行った腹腔鏡下下部直腸癌肛門温存手術114例中68例にLARを施行した.うちCRTは22例で,短期照射21例,長期照射1例であった.【結果】平均年齢66歳.手術時間中央値は348.5分.出血量中央値は100mlであった.術後在院日数中央値17.5日.fstage0/I/II/III/IV:1/9/3/4/5 であった.合併症は縫合不全2例,イレウス1例,SSI1例,DVT1例,遅発性骨盤内膿瘍1例.再発は肝転移が1例にみられた.【結語】CRT症例では手術単独例と比べて手術時間が延長傾向にあるが,出血量は差がなかった.手術単独例と比べて進行癌が多いことを考慮しても,安全に手術が遂行できているといえる.また,現在のところ局所再発例はなく,進行下部直腸癌のLAR症例に対して有用な治療であると考える. |
索引用語 | 術前放射線化学療法, 腹腔鏡下低位前方切除術 |