セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)大腸-鏡視下手術 5 |
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タイトル | 外P-314:当院における大腸癌鏡視下手術後の再発症例の検討 |
演者 | 松田 武(聖隷三方原病院・外科) |
共同演者 | 藤田 博文(聖隷三方原病院・外科), 邦本 幸洋(聖隷三方原病院・外科), 木村 泰生(聖隷三方原病院・外科), 山川 純一(聖隷三方原病院・外科), 前田 暁行(聖隷三方原病院・外科), 前田 典克(聖隷三方原病院・外科), 高野 啓祐(聖隷三方原病院・外科), 丸山 翔子(聖隷三方原病院・外科), 上中 祐子(聖隷三方原病院・外科), 荻野 和功(聖隷三方原病院・外科) |
抄録 | 【目的】大腸癌鏡視下手術後の再発症例の病態を検討し,鏡視下手術の適応や手技,術後フォローの問題点を明らかにする.【方法】2007年1月から2011年12月までに当科で鏡視下手術を施行した大腸癌患者137例を対象として,再発例の腫瘍学的因子・再発様式・再発時期について検討した.比較検討は,2005年1月から2006年12月までに当科で開腹手術を施行した大腸癌患者のうち再発例13例を対照として行った.【成績】鏡視下手術症例137例中,再発は7例であった.Stage別では,pStage2が37例中1例(2.7%),pStage3は37例中6例(16.2%)であった.再発様式は,pStage2の1例は遠隔転移,pStage3では6例中4例は遠隔転移であったが,残りの2例は腹膜転移再発を認め,この2例はいずれもpSSであった.開腹手術症例では,pStage2は56例中4例(7.1%),pStage3は63例中9例(14.3%)に再発を認め,pStage2の再発4例中,3例は遠隔転移,1例はR1切除後の局所再発であった.pStage3の再発9例中,6例は遠隔転移で,残りの3例は腹膜転移再発であったが,全てpSEであった.pSSであったにも関わらず播種再発した鏡視下手術症例2例について,さらに検討した.1例は直腸癌,pSS,pN1であり,術後4か月目のCTで肺転移と右骨盤壁に尿管を巻き込む再発腫瘤を認めた.もう1例は盲腸癌,pSS,pN1であり,術後7か月目のCTで腹腔内多発結節を認めた.この症例は術後乳ビ腹水を発症していた.2例とも,病理標本にて腫瘍の露頭は認めず,播種の原因として,転移リンパ節を把持した鉗子による播種,さらに乳ビ漏によるリンパ管内癌細胞の逸脱が考えられた.【結論】鏡視下手術では,腫瘍だけでなく,リンパ節も直接把持しないように,膜を壊さず組織を牽引する技術が必須である.リンパ節転移の疑われる症例では,リンパ漏予防のため,太い脈管はクリッピングや結紮が勧められる.播種性再発の早期発見には,術後数か月以内のCT撮影が有用である. |
索引用語 | 鏡視下手術, 大腸癌 |