セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-鏡視下手術 6

タイトル 外P-320:

インスリン抵抗性からみた腹腔鏡下大腸切除術の外科侵襲度の検討

演者 渡辺 誠(昭和大・消化器・一般外科)
共同演者 村上 雅彦(昭和大・消化器・一般外科), 吉澤 宋大(昭和大・消化器・一般外科), 茂木 健太郎(昭和大・消化器・一般外科), 山下 剛史(昭和大・消化器・一般外科), 山田 宏輔(昭和大・消化器・一般外科), 松井 伸朗(昭和大・消化器・一般外科), 大中 徹(昭和大・消化器・一般外科), 藤森 聡(昭和大・消化器・一般外科), 大塚 耕司(昭和大・消化器・一般外科), 青木 武士(昭和大・消化器・一般外科), 加藤 貴史(昭和大・消化器・一般外科)
抄録 【背景】腹腔鏡下手術はサイトカインを中心とする炎症性メディエーターの観点から低侵襲であることが広く知られているが,内分泌学的観点から生体侵襲反応を評価した報告はほとんどない.【目的】腹腔鏡下大腸切除術の周術期におけるインスリン抵抗性を時系的に検討し,腹腔鏡下手術の生体侵襲度を評価する.【方法】腹腔鏡下手術が予定された大腸癌患者30例{男性16例,68(38-78)歳}を対象に術前,術直後,第1病日のインスリン抵抗性をHOMA-Rにて経時的に計測した.尚,食事は前日夕方まで,飲水は前日22時までとし,術後から第1病日にかけての輸液管理はすべて統一した.【結果】術式は結腸切除17例,前方切除10例,APR3例であった.手術時間は137(110-165)分,出血は10ml未満であった.術前のHOMA-Rは1.3(0.4-3.0)で,術直後{1.1(0.4-4.0)}ならびに第1病日{1.0(0.4-2.3)と比して有意差はなかった(Wicoxon’s signed-rank test).術後合併症は3例(10.0%)(麻痺性イレウス1例,Superficial SSI 2例)であった.第5病日におけるCRP値は中央値で2.9(0.05-9.7)であった.【結語】腹腔鏡下大腸切除術においてインスリン抵抗性は増大しなかった.インスリン抵抗性の観点からも腹腔鏡アプローチは低侵襲であり,術後回復促進のための重要なファクターの1つであることがあらためて示唆された.
索引用語 インスリン抵抗性, 外科侵襲度