セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-化学療法 1

タイトル 外P-321:

大腸癌補助化学療法におけるUFT/Leucovorin5日投与2日休薬法の有用性

演者 徳永 行彦(京都逓信病院・外科)
共同演者 佐々木 宏和(大阪北逓信病院・外科)
抄録 【緒言】大腸癌化学療法において,UFT/leucovorin(LV)標準法(28日投与7日休薬)は経静脈的5-fluorouracil/LV療法と同等の成績を示した.UFTの5日投与2日休薬法(5投2休法)は有害事象が少なく完遂率が高い.UFT/LV(5投2休法)の有用性について報告は少ない.【症例と方法】大腸癌術後補助化学療法40例(男性24名,女性16名,平均年齢67歳)を対象とした.内28例はUFT300mg/m2/dayと経口LV75mg/dayを5投2休投与法で15コース(75週)繰り返した.残り12例はUFT300mg/m2/dayと経口LV75mg/dayを標準法で5コース(25週)繰り返した.Grade3有害事象を来した場合は治療を休止した,次コースでUFTのみを減量して再投与の方針とした.無病生存率や有害事象,Relative dose intensity(RDI)を比較検討した.【結果】5投2休法の完遂率は87%,RDIは平均0.92であった.投与コースは平均13.8コースであった.標準療法の完遂率は80%,RDIは平均0.87であった.投与コースは平均4.7コースであった.Grade3以上の有害事象はなく,Grade2以下の有害事象を5投2休法で10例,標準法で22例認め,5投2休法がより軽度であった.無病生存率は5投2休法が標準法より良好の傾向(P=0.13)を認めた.【考察と結論】5投2休法はUFTを高用量で投与しても有害事象が軽微で,5-FUの有効血中濃度が維持され,抗腫瘍効果と生存率の改善が期待できる.術後補助化学療法について,欧米では5-FU/LVの12ヵ月投与と6ヶ月投与に差を認めず,毒性,費用,利便性から6ヶ月投与が望ましいとされてきた.経口抗癌剤を用いた本邦では投与期間が1年から2年で有効性が示唆された.術後再発は1~2年の再発が約30%あることから,1~2年間継続できる化学療法の検討は重要である.UFT/LV5投2休法は長期の術後補助化学療法として有用であると示唆された.
索引用語 大腸がん, 術後補助化学療法