セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)大腸-化学療法 1 |
---|---|
タイトル | 外P-323:TNM Stage II, III結腸癌における予後分類と補助化学療法 |
演者 | 所 忠男(近畿大・外科) |
共同演者 | 奥野 清隆(近畿大・外科), 肥田 仁一(近畿大・外科), 上田 和毅(近畿大・外科), 吉藤 竹仁(近畿大・外科), 大東 弘治(近畿大・外科), 杉浦 史哲(近畿大・外科), 井上 啓介(近畿大・外科), 吉岡 康多(近畿大・外科) |
抄録 | 【目的】StageIII大腸癌に対する術後補助化学療法が推奨されているが, StageIIにもhigh risk群がある一方, StageIIIでも予後良好群がある. 今回, TNM StageII・III結腸癌術後の再発のリスクファクターを明らかにし, 予後分類と補助化学療法の有用性について検討.【方法】1994年から2005年に当科で根治手術が行われた結腸癌でStageIIAからIIIC症例297例. 生存率および予後に対する危険因子について検討. 生存曲線はKaplan-Meier法およびLog rank testで検定. 予後因子はCEA値・腫瘍径・補助化学療法・深達度・LN転移個数・郭清LN個数・組織型・脈管侵襲・神経浸潤・Budding・INFについてCox proportional hazards modelで検討.【成績】観察期間(中央値)は84.3Mで経口抗癌剤による補助化学療法は185例(62.3%)に施行. 5年DFSはStageIIIA(n=15):93.3%と予後良好, StageIIIC(n=31):43.0%と不良であったが, StageIIA(n=84), IIB(n=44), IIC(n=22), IIIB(n=92)はそれぞれ70.2%, 80.8%, 67.4%, 70.0%で有意差なし. 全症例のDFSに対する危険因子は単変量解析ではpT4b(P=0.012), LN転移個数≧4コ(P=0.0002), ly+(P=0.04), Budding(Grade3)(P=0.015), 神経浸潤(P=0.012), 補助化学療法(P=0.009)であり, 補助化学療法を除いた因子について多変量解析を行った結果, pT4b(P=0.011), LN転移個数≧4コ(P=0.004)が独立した予後因子であった. これらの因子で症例をA群(LN転移<4,<pT4b), B群(LN転移<4, pT4b), C群(LN転移≧4, any pT)に分類すると5年DFSはそれぞれ75.2%, 62.6%, 43,6%で有意差あり(P<0.0001),またA群のみで補助化学療法施行例が予後良好(あり:83.7%, なし:61.4%, P=0.0003).【結論】StageII・III結腸癌の予後因子はLN転移4コ以上, T4bであった. またこの分類により予後を簡便に評価できる可能性が示唆され, 従来の補助化学療法の有効な症例の絞り込みが可能であった. |
索引用語 | 結腸癌, TNM分類 |