セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-化学療法 1

タイトル 外P-324:

大腸癌細胞株におけるVitamin D 誘導体の抑制効果の検討について

演者 笹冨 輝男(久留米大・外科)
共同演者 大池 貴史(久留米大・外科), 田中 夏樹(久留米大・外科), 石橋 慶章(久留米大・外科), 藤野 真也(久留米大・外科), 弓削 浩太郎(久留米大・外科), 岐部 史郎(久留米大・外科), 岡 洋右(久留米大・外科), 溝部 智亮(久留米大・外科), 衣笠 哲史(久留米大・外科), 赤木 由人(久留米大・外科), 白水 和雄(久留米大・外科)
抄録 【目的】高度進行再発大腸癌の薬物治療についてはmFOLFOX6とFOLFIRIがベースであり,それらに分子標的薬であるBevacizumab,Cetuximab等を併用して投与していくのが基本であり,多くのレジメンもその応用である.そこでVitamin D に注目し,その大腸癌細胞株に対する反応を調べ臨床応用の可能性についても調べ新しい大腸癌の化学療法の可能性を検討するのが今回の目的である.【方法】大腸癌細胞株HT29(KRAS wt,BRAFmt),HCT116(KRAS 13mt/BRAF V600Kmt),SW620(KRAS 12mt/BRAF wt)用いて活性型Vitamin D3の抑制効果を調べ,次にCaの代謝と関係ある部分をのぞいたVitamin D誘導体を合成し,同じように大腸癌細胞株に対する抑制効果が認められるかどうかを調べた.【成績】大腸癌細胞株HCT116,SW620にたいし活性型Vitamin D3は72から96時間後に抑制効果が認められ,一方Vitamin D誘導体も72から96時間後に抑制効果を認めた.活性型Vitamin D3の濃度が高Ca血症をきたす可能性のある濃度である事,このVitamin D誘導体は血中半減期が長い事等を考慮すると,開発したVitamin D 誘導体のほうがより臨床応用可能であると考えられた.【結論】Vitamin D 誘導体には大腸癌細胞株に対する抑制効果が認められ,新しい大腸癌に対する治療法開発の可能性が示唆された.
索引用語 大腸癌, 化学療法